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「第1回、白露型駆逐艦会議を始めたいと思いまーす」 横須賀鎮守府、駆逐艦寮に備えられたやや広い会議用の多目的室。 この中には白露、時雨、夕立、村雨、涼風の5人が集まっていた。 「あのさ、白露。五月雨がいなんだけど?」 集まる用に宣言し、会議の開催を告げた白露に時雨が静かに質問する。 「いいんだよ、この会議はあたいが頼んだ五月雨と提督のための会議なんだ」 時雨の問い掛けには白露ではなく涼風が答える。 「あー、最近あの2人ぎこちないっぽいよね」 「他の皆さんも心配してたし」 夕立や村雨も涼風の答えに頷きながら賛同する。 五月雨はこの艦隊がまだ1人だった頃から提督と戦い抜いた古参であり、 持ち前の健気さや一生懸命物事を頑張る姿は他の艦娘にも好かれ、立派に秘書を務めている。 本人や提督は否定するが、誰がどう見ても恋人としか思えないぐらい2人はお似合いである。 そんな2人がここ数日間どこかぎこちなく、2人とも微妙に噛み合わないらしい。 五月雨はお茶をうっかり零したり、提督は遠征部隊を間違える。 よくある些細なミスではあるが、周りの人間からは何かあったと思わせる違和感があるのである。 「で、何か情報はわかった?」 「赤城さん達が言ってたけど喧嘩したっぽい?」 「金剛さんが言うには倦怠期ネーとか」 「北上さんは難しいよねーだってさ」 「皆適当だね…」 ノリノリで話す4人に比べ時雨は乗り気ではない。五月雨程ではないが艦隊に長くいる身としては2人の関係をよく知っているからだ。 「まあとりあえず大井さんからアドバイスっぽいの貰ったし試してみたいかな」 「じゃ、それで決まりね」 「五月雨、ちょっといいかい?」 秘書としての執務を終え、ゆっくり食堂で食事を取る五月雨を涼風が呼ぶ。 「あ、涼風。ちょっと待って、私もこれで食べ終わるから」 慌てて皿に残されたデザートのアイスを食べると五月雨は涼風に笑顔を向けた。 「で、何かな?」 「いやさ、最近五月雨も提督も疲れてるみたいだからこの睡眠薬をあげようってね」 涼風が睡眠薬と称した錠剤を五月雨に渡し、握らせる。 「睡眠薬?何で?」 「なに、疲れてる時はぐっすり寝るのがいいって言うじゃん」 「そうなの?」 「ああ、何人も言ってたから間違いないよ」 「そっか、ありがとう。提督にも渡してくるね」 「五月雨は一錠で提督は二錠だからねい」 嬉しそうに執務室に走り出す五月雨を見送った涼風はニヤリとする。 「あれでうまくいけばいいんだけどね」 「ふう……そろそろ僕も休むか」 執務室には提督が一人書類仕事に没頭していた。長くなったので先に五月雨は食事を取らせ、自分は軽く済ませるつもりだった。 コンコンとドアがノックされる。この時間なら五月雨とわかっているので提督は返事しない。 数秒後にドアは開かれ、静かに、どこか嬉しそうに五月雨が入ってくる。 「うん、どうしたんだい?間宮さんのアイスでも食べたのかな?」 「提督、私そんなに子供っぽいですか?……確かに食べましたけど」 「いや、アイスが好きなのは子供っぽい訳じゃないさ。長門も実はアイス好きだしね」 何気ない雑談、誰も見ていないけど2人はいつもと同じように接しあう。 「そうだ、涼風達が私達を心配してくれていい薬をくれましたよ」 「薬?」 五月雨が包まれていた封を開き、中から白い錠剤を3つ取り出す。 「睡眠薬だそうです、依存性はなく、ぐっすり寝られるよって」 「ふうん、確かに最近疲れ気味だしね。今日は仕事を終わりにして寝ようかな」 机の上に山積みになった書類を床の段ボールにしまい、提督は五月雨の横に座る。 「どれ、貰おうかな。水は」 「は、はい」 「ありがとう」 提督は事前に準備された水を五月雨から受け取り、ゆっくり薬を飲む。 「さて、寝ようかな。それじゃあおやすみ」 「あっ、提督!今日は……その……」 「あ、ああ……いいよ。一緒に寝ようか」 執務室の横に併設された仮眠室は提督と秘書艦の2人が寝れるようになっている。 普段は使わないがたまに五月雨が提督にお願いしたりすると2人で寝ることがある。 「じゃあ着替えてくるから五月雨も隣で着替えなよ」 執務室のクローゼットにはこんな日のために提督と五月雨の寝まぎや着替えがいくつか常備されている。 慣れた2人はそれぞれ執務室と仮眠室で着替えると仮眠室で布団に横になるのだ。 「やったぜ、提督はあの薬を飲んだよ!」 執務室のドアに借りてきたソナーを付けて盗聴する涼風。 隣には白露も座り、同じように中の様子を盗み聞きしていた。 「あとは大井さんの薬が効果出るまで待つだけかな」 涼風が五月雨に渡した薬はもちろん睡眠薬なんかではない。 大井特製の媚薬であり、即効薬ながら効果も強く、依存性がないスグレモノである。 夕立が大井から聞いたアイデアとは単純に提督に五月雨と寝てもらうだけである。 最近忙しくてお互い欲求不満だろうし、一回すっきりすればいいのだと提案したのだ。 「まああたい達も提督は好きだけどやっぱり五月雨には敵わないしなあ」 「さっさとあの2人は結婚すればいいのにね」 「その意見には同意だけどこういうやり方は好きじゃないかな」 「あれ、どうしたんさ時雨?」 ソナーで盗み聞きしていた2人の背後に静かに忍び寄る時雨。 「やっと見つけたよ。さあ行くよ」 2人の首をガシッと掴むと時雨は2人を執務室の前から引きずりはじめる。 「ちょ、痛い、痛いって」 「痛いし目立って恥ずかしいし……」 「あとね、あの薬は僕が五月雨に説明して本当に睡眠薬に変えといたから」 「えっ!?なんでさ?」 「2人の仲は僕らが干渉すべきじゃないってことさ」 仮眠室では並んだ布団で幸せそうに寝息をたてる2人が寝ていた。 きっと明日から2人は疲れもとれてまたいつものように仲良く頑張ってくれる。 時雨はそう信じて姉と妹を引きずりながら自分の部屋に歩くのだった。 翌日、白露と涼風が何故か戦闘もしてないのに疲労していたのだが本人達は何も語らなかった。
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45 :名無しさん@ピンキー:2014/02/28(金) 21 34 12.35 ID 8mvLKZG9 【ケッコンカッコカリ目前だった長門さんがヒゲでデブの陸軍将官に寝取られSS】 ※寝取られメインにつき苦手な方はNG推奨。 46 :名無しさん@ピンキー:2014/02/28(金) 21 35 01.94 ID 8mvLKZG9 長門「陸軍!貴様らが裏から手を回し海軍に渡る筈だった物資を過剰に接収していること、調べがついている……一体何の真似だ!?」 陸将「フンッ、海軍の雌犬めがキャンキャンとやかましいことよ……将官の執務室に押しかけてその態度とは、海軍では犬の躾がなっとらんな?」 長門「貴様ァ……!」 海軍の作戦に露骨な妨害をかける陸軍に、腹を据えかね直談判に乗り込んだ戦艦長門。しかしそれは陸軍将官の仕組んだ卑劣な罠だった。 陸将「幾ら調べようが止めることなど叶わんぞ。陸軍としては海軍の提案には反対である……それが答えだ。用は済んだか?」 長門「くっ、その利敵行為ぶり……貴様らは敵に勝つ気があるのか!?」 陸将「無駄飯食いの海軍がよく言うわ、貴様を反逆罪に問うてもsいいのだぞ。貴様の飼い主はさぞ椅子の座り心地が悪くなろうなあ?」 長門(くっ!物資が欠乏している今、目立った戦功を上げれぬ提督の立場は危うい。私がここで抗弁を続けるわけには……!) 陸将「ただな、貴様の誠意次第では便宜を図ってやっても良いと儂は思っておる……全ては貴様の態度次第だ、どうする?」 長門「誠意だと、何を企んでいる?」 陸将「察しの悪い奴だ、貴様の……兵器としてではなく女としての部分で儂の機嫌をとってみせよ、と言ったのだ。断れば……わかるな?」 長門(そんな、提督にもそのようなことをしたことは……だが。私の保身を提督と仲間の命運と秤に掛けるよりは……!) 長門「それに従えば……我々に十分な物資を供与すると、そう確約するというのだな?」 陸将「構わんとも。貴様が儂に傅き、海軍への援助を願い続けるのなら……な。」 長門「わかった、従う。私を、お前の好きに……」 陸将「それが誠意かぁ、ンン?気に入らんのなら帰るがいいわ。」 長門「くっ……!どうか、私めを……貴方、様の……お好きになさって下さい、ませ……ッ!」 陸将「まだ立場が分かってないようだがまあいいわ。口を突きだしたまま静止しろ。」 長門「何を……んんーっ!?(そんな、私の初めての口付けが……こんな下種な男にっ!)」 肥満体な禿げ頭の中年男の脂ぎった口で唇を塞がれ、不快な臭さと不味さの唾液を飲まされる屈辱……それが長門の悪夢の日々の始まりであった。 陸将「ホレ!これから毎日お前が奉仕をするモノだ、もっと気合を入れて咥えんか!おしゃぶり一つもできん海軍のボンクラめ!」 長門「むぐぅぅぅぅっ……!?(栗の花みたいな……臭いッ!吐きそうな味だ……だが、提督のために……!)」 それから長門は毎日陸軍将官の執務室に呼び出され、始めにキツい精臭を発する陰茎を咥えさせられ…… 陸将「そら!もっと乳を擦りつけんか、そのだらしない脂肪の塊は飾りか?補給が欲しければ、そうだもっとそう……うッ!」 長門「うあ!?臭いっ……(なんておぞましい粘つきだ……くっ!耐えるんだ、補給さえ再開されれば……!)」 豊満な乳肉の谷間を性器の如く肉棒で突かれ、黄ばんだ精液で乳房から顔までを塗装され…… 陸将「そら、もっと股を開いて指を動かさんか!……おっ、イクのか?嫌悪する男に自慰を見られながら達するのか、淫売兵器めっ!」 長門「言うなっ、見るなぁっ……うあぁっ!股に息がっ……ン、んんんんんッッ!!(こんな下種に、絶頂を見られるなんて……)」 やがて執務机の上で自慰を強要されるようになり達する姿すら視姦され、そして遂に…… 陸将「コレが見えるか?海軍への物資供与の命令書だ、コレに儂が判を押せば貴様らに資源が渡る。欲しければ……分かるな?」 長門(戦況は悪化の一途、躊躇している猶予はない……。提督……私は、私はっ……!) 長門「分かっ……わかり、ました。私めのじゅ、純潔を捧げますのでどうぞ……陸軍将校様の、お慈悲をお恵み下さいませっ……!」 陸将「貴様の処女なんぞと引き代えるには勿体ない資源だが、儂の慈悲に感謝しろよ?ホレ、よく見ておれ……貴様の初物が奪われる瞬間を!」 長門「ひぃっ、いっ……ぎぃぃぃッ!!」 一糸纏わぬ姿で足を開かされた長門の股に、男の赤黒い肉棒が押し付けられ侵入する。激痛と共に秘所が拡がり、遂には…… 長門「あぎゃあぁぁッ……ひ、ぐっ!う、あぁ……嘘だ、こんな……」 陸将「間違いでも夢でもあるものか!見ろ、貴様の膜をブチ抜いてやったのは儂のイチモツだぞ!?」 長門の薄い恥毛の植わった秘所を男の凶暴な肉茎が深々貫いており、結合部からは破瓜の証の鮮血が伝い落ちていた。 長門「提督っ、ていとく……っ!!」 陸将「ふははっ、女にしてやった娘の泣き声を聞きながらの性交は堪らんわ!それっ、もっと奥まで咥えろ!」 長門「あぎっ、うぎぃぃっ!痛ッ……やめろ、やめ……やめてぇっ……!」 強姦で処女喪失した衝撃と、性交経験のない秘部への容赦ない凌辱による激痛。勇ましい姿は影も無く、無力に犯され泣き叫ぶ長門。 陸将「おおっ、その表情堪らんわ!どれ、イイ声で啼いた褒美だ……儂の種をたっぷりと蜜壺にくれてやるわ!」 長門「うぎぃっ……えっ、種……まさか!?やめろ、それだけはっ……離れろっ、嫌だぁっ!」 陸将「ぐははははっ!もう遅いわ、貴様の子袋を真っ白に塗装して孕ませてやろう!ふんっ、ふんっ!」 臭い吐息を荒げ、激しく腰を振り立てる男。長門が必死で男に抗うも肥満体でのしかかる男を退けるには至らず、遂に―― 陸将「うおぉぉぉッ!陸軍軍人の優秀な遺伝子を孕めッ、無駄飯食いの肉穴がぁっ……ぬふぅっ!」 長門「えっ、あ……あぁぁぁぁぁぁッ!?抜けッ、抜いて……出てるッ、汁がッ!嫌だッ、イヤぁぁぁッ……!?」 子宮口に密着した肉杭が脈動し、子宮内へと粘つく熱い液体を注いでいく。おぞましいその感触は長門を絶望に突き落とした。 陸将「うっ、ふぅぅぅ……どうだ、胎の奥まで儂のモノになった気分はぁ……んン?」 長門「提督、申し訳ありませ……ううぅっ、ていとく……うあぁぁぁっ!」 子宮から逆流する液体の感触に長門は、自分がもう元には戻れぬ場所まで貶められてしまったことを自覚し嗚咽するのだった。 鎮守府―― 夕立「聞いたわ?今日届いた資源、長門が陸軍から接収してきたっぽい?その働き、阿修羅すら凌駕する存在っぽい!」 長門「あ、ああ……なに、直接乗り込んで少し脅してやって……な。首肯させるのに手間はかかったが、大したことでは……ない。」 RJ「あの石頭ども、どない説得したんや?ハッ……そのデカいのか!そのデカい脂肪の塊使ぉたんか!?決め手は脂肪なんか!!」 長門「……ッ!?ば、バカを言うな……少し念入りに、話し合いをしただけだ。それ以外……なにも、なかった。」 霧島「一人で談判にいくと言った時は心配したけれど……これで、修復もロクに受けれず往った……榛名の仇、討てるわ。感謝してる。」 長門「……すまんな、私がもっと早く……資材を持ち返れていれば、な……」 金剛「ドンマイ!心配無用デース!榛名の分まで私がジャーンジャン深海棲艦を沈めるヨ!心配いらないったらいらないデース!」 長門「…………」 陸奥「姉さん?」 長門「陸奥……たびたび留守を任せてすまなかった、迷惑をかけたな。」 陸奥「迷惑だなんて……ねえ。姉さん、顔色が悪いわ。本当は、陸軍で何かあったんじゃ?もし、そうなら私……」 長門「心配するな、何もない……ただな、続きの資源を引き出すにはまだ交渉が必要そうなんだ。だから……」 長門の胸中にあれから続け様に二度、子宮へ黄ばんだ精液を注がれた後の男の言葉が蘇る。 陸将『くれてやった物資、大喰らいな海軍の小娘どもでは瞬く間に食い潰すだろうて……続けて供出が欲しければ、分かっていよう?』 長門「……。また、陸軍に通わなくてはならない。提督には、その旨伝えておいて欲しい……心配はいらない、すぐ戻ってくる。」 陸奥「姉さん……。」 次の日より長門を待っていたのは、本格的に彼女の心身を犯し汚し蹂躙し尽くすような屈辱の凌辱の日々であった。 陸将「ほぅれ!そのデカい尻をもっと振らんか!それとももっとこの淫乱な尻肉を叩かれたいのか、淫売めッ!」 長門「いひぃッ!尻叩きながらっ、奥ッ……突くなぁッ!おッ、んオッ……はっひぃぃん!?」 ある日は夜が明けるまで犬のように後背から犯されつつ、白桃のような尻が真っ赤に腫れ上がるほど殴打され…… 陸将「ぐはははッ!尻に指を突っ込んだ途端雌穴がキュンキュン締め付けよるわ!ケツ穴で善がるか、このド淫乱がッ!」 長門「ほッおぉぉぉン!?や、やめろ……そんな汚いところ、指で穿りながら前を小突く、ぅ……んオォォォォッ!!」 ある日は朝から日暮れまで尻穴を解されながら膣に中出しを繰り返され…… 長門「やめろッ!指はまだしも、そんなもの入らな……おっほぉぉぉぉッ!?やめろ、抜け……んお゛ッ、おひぃぃぃッ!?」 陸将「嫌々言いつつ貴様のケツはしっかり儂のイチモツを銜え込んでおるぞ?このまま糞穴も前同様、ハメ穴に改良してくれるわ!」 次第に尻穴も性交に使われるようになり、小便を漏らして気絶するまで前後の穴を犯される日々…… 陸佐「フンッ!フンッ!海軍の生意気な小娘に陸軍式精神注入を行えようとは!閣下のお心に自分は感動を禁じ得ませんな!ふぬぅ!」 長門「うあぁぁッ、やめろ!前と後ろを同時など……おほッ、んお゛ッ、はひぃ!?あァ、ていと……ほへぇぇぇぇぇッ♥」 陸将「どうだ、淫乱な穴を同時に抉られる気分は!?それ、乳を抓りながら精を注いでやろう、無様に吼えながらイけッ!ウッ!」 やがては男の部下までが凌辱に参加。前後の穴や喉を代わる代わる犯されるようになると、反抗の意志は急速に潰えていった。 提督「長門、その……君の口添えで得た物資で戦局が好転したこと、本当に感謝している。ただ……まだ、陸軍に通わなくてはならないのだろうか?」 長門「提督……申し訳ない。今は供与させてはいるものの、将来的に確約させられた訳ではないので……んあッ♥」 提督「長門!?大丈夫なのか、本当に?陸奥も心配している、だから……その。」 長門「いや、心配ない。少し、気疲れで立ちくらみがあっただけ……んうぅ!それ、だけだ……心配事などなにもない、提督。」 提督「すまない、長門。小官の力不足で……。その、戦局がひと段落ついたら君に伝えたいことが……いや、なんでもない。」 長門「提督……(言えない、言えるわけが……ない。)」 扇情的な着衣を纏う長門の肢体――その下半身の前後の穴を陸軍製の張り型が貫き、時折震えては彼女の雌を責め立てているなどと。 夜には陸軍将官にこの場での心中を詰問され嬲られる、その屈辱を予測し……秘所を熱く潤わせているなどとは、言えよう筈も無かった。 その後も物資供与をチラつかせての陸軍将官の調教は執拗さを増し、長門も徐々にその状況を抗わず受け入れるようになっていた。 陸将「盛りのついた雌犬の世話も飼い主の躾よな……ホレ、どうした!犬は犬らしくさっさと吠えて小便を済ませんか!」 長門「ひぎッ……お、おン!わオン!ンッ……くぅぅん♥」 陸軍の敷地を全裸のまま四つん這いで連れ歩かれ、秘所を靴先で抉られつつ木立に小便をかけながら犬の鳴き真似をし 陸将「どうだ、特注の吸引器の使い心地は!?貴様の淫乱な乳頭も肉豆も、この親指のようになるまで肥大させてやるわ!」 長門「んぎぃぃぃッ♥チクビッ、おマメェッ♥これ以上伸ばされたらちぎれる゛ッ……ぎひぃぃぃぃンッ♥」 散々嬲られ快楽に鋭敏に躾けられてしまった恥部を、殊更に性器として目立つように肥大させられる恥辱にも正体なく喘ぎ 陸佐「閣下が貴様らウジ虫にも劣る新兵を出兵前に男にして下さるとご厚意下さった!心より感謝してさっさとマスをかいていけ!」 陸兵「故郷では見たこともない可憐な婦人に男にして頂けるなど、自分は感激であります!ふぬっ、ぬふっ……うぅッ!!」 陸兵「帝都では肛門で性交を行うのでありますかっ!いえっ、手淫などと比べ物にならん心地でありますっ!……ぬふうっ!」 長門「うあぁぁッ♥激し、すぎ……それにぃ、出しすぎだッ♥うあぁっ、壊れるっ……犯し殺されるぅぅッ♥♥」 陸佐「貴様も喘いでばかりでなくさっさと乳でも口でも使って数をこなさんか!まだまだ後が詰まっているのだぞ、淫乱股開きが!」 性欲底なしの新兵達を数えきれないほどに性処理させられ、子宮が水風船のようになるまで精を注がれて咽びながらイキ狂わされ 長門「……鎮守府に通話を繋げてほし、ッ……んッほぉぉぉぉぉッ♥♥♥」 交換手『あの、どうかなさいましたか?ええと……鎮守府ですね、少々お待ちください。』 陸将「どうした?もっと我慢せんと貴様の仲間にも喘ぎがバレてしまうぞ?……そぉれ!」 時には鎮守府に連絡を入れる電話口で延々膣と肛門を穿り回しつつ通話を強要され……日々、意志も尊厳も踏み躙られ、穢し尽くされた。 長門「んっ、んんっ……出されるの、ですね……。顔か、喉か、胸……どう、致しますか……?」 いつ頃からか男に敬語で接し、執務室で男の肉柱に丁寧な奉仕をするのが日常になったある日……精を放った後、男が唐突に長門に言う。 陸将「帰れ。もう明日より出頭する必要はない。」 長門「えっ……それは、どういった意味で……」 陸将「言葉通りだ、貴様はもういらん。資源供与も戦況が回復する程度までは続けてやる。さっさと帰るがいい。」 長門(そんな、何故……突然……?) 青天の霹靂な原隊復帰。動揺する長門は喜びより、自身が何か不始末で解任されたのかと不安を覚えている己に気づいて瞠目した。 陸奥「姉さん、お帰りなさい。聞いたわ、当面は陸軍から支援が続くって。……もう、あそこに通わなくていいのよね?」 長門「あ、ああ……そう、だな。……すまない、少し疲れが出たようだ……一人で休ませてくれないか?」 陸奥「あっ、そうよね!私ったら、つい不安で……お疲れ様、姉さん。」 戻ってきた自分の居場所は、何故か余所余所しく……補充の物資に湧きかえる仲間達の姿さえ他人事のように長門の目には映っていた。 長門「んあっ……♥何故なんだ、私は……もう、こんなことしなくても……くひっ♥」 寝台の中で自らのいやらしく肥大した乳頭を、肉豆を。脂が乗り、丸みを増した乳房を、尻を。濡れそぼる肉壺を、肛門を。 掻き毟るように手指で執拗に穿り回せど、体の奥にわだかまる媚熱を伴った耐え難い疼きは一向に解消されなかった。 ―ドォン!ド、ドォン――!! 長門「酷いものだ……」 久々に艦娘としての勘を取り戻そうと演習に参加した長門は、自身の散々たる戦果に自嘲を含んだ深い溜め息を吐いた。 陸奥「しばらく前線を離れていたんだもの、仕方ないわ。無理はしないで……お願いよ、姉さん。」 かつての一割に届かぬ命中……自身が兵器であるといかに己に言い聞かそうと、頭に浮かぶのは雌として躾けられた日々の記憶。 四肢の筋肉が衰え、代わりに乳尻の重みを増した贅肉。衣類との摩擦にすら発情する局部。それらは確実に長門の性能を殺ぎ落としていた。 長門「だが……いや、そうだな。すまない……皆には編成し直して続けるよう伝えてくれ。」 長門「欲しい♥ここぉっ♥指では足りないんだっ♥硬いの、太くて熱いッ……♥」 整備場から無断で自室へ持ち返った工具の握りを膣と肛門に捻じ込み、目茶目茶に抜き差ししつつ喘ぐ長門。 長門「欲しいッ♥ち、ちんぽぉ……ちんぽ、ちんぽちんぽちんぽォォォッ♥♥♥」 発情した畜生のような嬌声を上げ、寝台で悶え続ける長門。その痴態にはかつての凛々しい戦艦娘としての面影は片鱗も伺えなかった。 陸将「なんの用だ、海軍の雌犬め?儂は忙しいのだ、さっさと要件を話して帰れ。」 陸軍の本部を自ら訪れた長門。執務机の向こうに座る男は、以前と変わらぬ醜い肥満顔の口元を下卑た形に歪めている。 長門「ッ……!その、物資の供与を今後も続けて欲しいのだ……だからっ、そのためなら私の体をどのようにでも……!」 陸将「なんだ、下らん。わざわざ会ってやって何を言うかと思えば……その程度か、二度とそのツラを見せるな。」 長門「待てッ……待ってくれ、私の……何が不満だったんだ!?私の何が気に入らなくて、お前は私を手放した……!?」 露骨に失望した表情で退席を命じた男に、長門は自身で訳を理解し得ぬほど必死に問いの言葉を投げかけていた。 陸将「まったく、自分が何を欲しているかも分からんとは……海軍では頭の出来は無用らしい。ホレ、貴様が欲しいのはコレだろう?」 長門「―――ッッ!!」 立ち上った男が衣服の裾から陰茎を――長門を幾度となく悶え狂わせ犯し抜いた肉の凶器を取り出し、長門の視界に晒す。 長門「う、く……は、ぁ――はぁ、はぁー……。」 “ソレ”を目にした瞬間から心拍が早鐘を打ち、呼吸が乱れ、身が強張り、目を逸らせなくなる。まるで自身の絶対者がそこにいる如く。 陸将「――たった一つの宣言を口にできたなら、コイツを貴様にブチ込んでやろう……雌穴を抉り抜いて心魂を堕とし尽くしてやる。」 長門「あ、ぇ……貴様は、なにをいって……」 そんなことを望んできてなどいない、そう拒否をしようとした舌が引き攣り動かない。口腔に溢れた唾液を無意識に飲み下す長門。 拒絶を口にしろと警鐘を鳴らす理性とは裏腹に子宮は熱を帯びて発情し、分泌した雌臭い粘液で膣道を潤わす。 陸将「なぁに、簡単なことよ。海軍に援助なぞしなくていい、と……一言この場で唱えてみせよ。」 長門「~~~!?ふ、ふざけるなッ――!!」 今度は拒絶を発声できた、当たり前だ。これまで耐えて――そう耐えて来たのは、仲間を助けるため。それを反故にするなど―― ・・ 陸将「跪け。」 長門「――あ」 男が一言命じた瞬間、本能的に即座に従い――これまでも男に傅いてきたように、膝を床につけ畏まってしまう長門。 陸将「これから儂は10歩お前に近寄る、その間に今の言葉を誓うか儂のモノに触れたら肯定と見る。拒否なら立って帰れ。分かったな?」 長門「え、あ――」 長門が戸惑う間にも男は歩み寄ってくる、9歩8歩7歩――跪いた自分の視線にはちょうど、男の陰茎が収まっている。 長門「私、は――海軍所属、の――だから……」 今ここで帰れば仲間達と――そして提督と、元の暮らしに戻れるかもしれない。 6歩。5歩、4歩―― 元の暮らしに戻って――そして夜な夜な悶えるのか、この……自分の支配者である雄の姿を思い出し、その恋しさに。 長門「私は、私は――」 提督に吐け口を頼む?――百を超す男に穢し尽くされ雌畜生に堕ちた躯を、名も知らぬ男の精にすら塗装された穴を、慰めてくれと―― できる、訳がない……穢れを知らぬ体、純粋な心で提督を想う仲間は彼の傍に今もいる。彼女達を振り払って彼が自分を選ぶ可能性など―― 3歩、2歩…… 仲間と妹の笑顔が、提督の姿が、辛くも楽しかった日々が、脳裏に浮かび―― 1歩。 長門「てい、とく――」 肉棒から漂うツンと鼻と突く濃密な精臭、自身の膣を腸を喉を胸を顔をマーキングし尽くした己の支配者の臭いを嗅いだ瞬間―― 精緻な硝子細工を床に叩きつけたように、長門の脳裏を満たしていた暖かな光景は――粉々に砕けて散った。 長門「あむ、ちゅぅっ……はふっ、れろぉ♥ん、ちゅ……はむっ♥」 陸将「海軍を捨てる、それでいいのだな――?」 長門「ふぁい……そんなものどうだって構いません。どうか長門を、貴方の所有物を……一杯、弄んでくださいませぇ♥」 愛おしげに男の肉棒にむしゃぶりつきながら、快楽以外の全てとの決別を宣言する長門。 艦娘としての生を自ら潰えさせ肉奴隷に堕ちた女の表情は、心よりの幸福に満たされ蕩けた笑みを浮かべていた。 +END-A『都合のいい結末』 END-A『都合のいい結末』※夢オチ。やっつけハッピーエンド。 長門「スタァァァァァップ!?……はぁ、はぁっ。あぁ……ゆ、夢か……いやいやいや何だ今の夢は。」 長門(私は欲求不満なのかそもそも欲求不満であんな夢を見るものなのかあんな夢を見る私はフロイト流に解釈するとえーとその) 陸奥「むにゃ……姉さんうるさい……」 長門「あ、ぅ……す、すまん。」 官舎の自室の寝台で飛び起きた長門はとてつもない生々しさの淫夢の余韻にしばし狼狽する。 目覚めた際によほどの悲鳴を上げたのか、下の寝台で寝ていた陸奥が眠たげな目を擦りながら寝台脇で顔を覗かせていた。 陸奥「もー……陳情に行った提督が取りつく島もなく追い返されたの見て『連合艦隊旗艦の私が刺し違えてでも陸軍から物資を奪取してやる!』 とか言って朝一番で陸軍幕僚部に殴り込むって、姉さん息巻いてたけど……なんだか不安だわ。やっぱり私も一緒に行こうか?」 長門「別に心配いら……いや、やはり頼もうか。あんな夢を見たからという訳ではないが……」 陸奥「夢?」 長門「~~~~ッ!?いや、なんでもない!そのっ……先制攻撃は初手で大打撃を与えるのが基本だからな。少し耳を貸せ……」 ドッゴォォォォォォンッッ―――! 大爆発と共に吹き飛ぶ屋根。突然野戦司令部と化した陸軍幕僚部の建物を陸軍士官が唖然とした表情で見上げている。 陸奥「第三砲塔不調だったから仕方ないわー。うっかりくしゃみで第三砲塔暴発しちゃうのも仕方ないわー。」 長門「第三砲塔不調じゃ仕方ないわー。一発なら誤射だからやむを得ないわー。」 提督「いや申し訳ありません閣下。いかに補修資材が欠乏しているとはいえこのような失態、二度と起きぬよう徹底します。」 “誤射”の謝罪に訪れた陸軍将校の執務室、机に就いた肥満の中年男は怒りと恐怖が半々混じり引き攣った顔で来訪者を睨んでいる。 提督「補修の資材不足で起きた偶然の事故とはいえ、次は“陸軍首脳部の皆様が勢揃いした会議場にうっかり砲弾が飛び込む” などという事態が起きないとも限りませんからね、くれぐれも注意致します……ホラ、君達もしっかりと謝罪する!」 陸奥「へへーお代官様ヒラにおゆるしをー」 長門「なにとぞなにとぞーへへー」 両腰の砲塔を真上に向けていた長門と陸奥がわざとらしく土下座の姿勢を取る……と必然的に中年男にまっすぐ向かう砲口。 自身に突き付けられた4対の剣呑な砲塔の砲弾発射口を目前にした男は悲鳴を上げて椅子より転げ落ちた。 ドドドォーン――!ズドーン――! 提督「まったく……君達の所業を聞いた時は、小官の寿命が縮むかと思ったよ。相手が怯えて折れてくれたからいいが……」 怯えきった陸軍将校から補充物資供与の約定を引き出して鎮守府に戻り、従犯の陸奥を軽い説教で先に帰したあとのこと。 湾内で演習を行う艦娘達を遠くに見やりながら青空の下、主犯の長門は提督にこってり絞られていた。 提督「今回は幸運にも軽い処罰で片づけられたからいいものを、君を喪うようなことになっていたら小官は……あ、いや。ごほん。」 長門「へ?あ、あの……提督、それはどういう……?」 提督「あ、いや……それはその。なんでもな……くはないか、参ったな。こんな急に渡す機が来ようとは……ええい!」 長門「提督?あの……」 戸惑う長門の目の前で後頭部を掻く提督。逆の手でポケットから取り出した小箱より顔を覗かせたのは、陽の光を照り返し煌めく――指輪。 提督「長門、大事な話だから聞いてほしい。小官は、ずっと前から君を――」 天頂高く陽の射す蒼穹の下、遠方より響き渡った演習の砲声に重なり、発せられた言葉は向かい合う2人以外の誰にも伝わることはなかった。 END. +END-B『信じて陳情に出した長門が陸軍精神注入棒にドハマリしてアヘボテ達磨ピースで出産姿を披露するなんて』 END-B『信じて陳情に出した長門が陸軍精神注入棒にドハマリしてアヘボテ達磨ピースで出産姿を披露するなんて』 ※バッドエンド。救いはありません。過激・残酷な描写を多々含みます。耐性の無い方はあぼーん推奨。 突然に始まった陸軍の物資の供与は唐突に打ち切られた――長門が本人の希望により陸軍の管理下に置かれた旨を告げる辞令と共に。 ――以前にも増した陸軍の物資の差し押さえ。瞬く間に干上がった艦隊を率い、心の中心にいた女性を喪った提督の挑んだ戦いの結果は…… 提督「長門……長門ぉ、頼む……戻ってきて、くれぇ……君さえいれば、小官はまた……うぅ、長門ぉ……君しかいないんだ……」 幽鬼のような表情で陸軍幕僚部の廊下を歩く、薄汚れた軍服の海軍提督。よろめいた足がくずカゴを蹴り、読み捨ての新聞が床に落ちる。 ――今ここにいる当人旗下の艦隊が全轟沈壊滅し、200万隻の深海棲艦を道連れにしたという大本営発表を記した記事がそこには載っていた。 提督「長門、ここにいるんだろ……戻ってきて、長門ぉ――ぉ?」 必死で面会を頼み込み、向かうよう指示された部屋の扉――中から獣臭い異臭漂う室内へ無造作に踏み込んだ、その時。 ??「ぷぎひぃぃぃンッ♥♥チンポハメ穴ッ♥こわされりゅッ♥かくのーこまでブチぬかれてヒにゅう゛ぅぅぅッッ♥♥♥」 耳に届いた奇声が、まるで絞め殺される畜豚のようだと思い――その声を発した主に視線を向け、絶句する。 提督「え……長、門?」 陸尉「航空戦艦でもねえのに格納庫だってよ!?オラ、肘まで突っ込んでマン穴抉じ開けてやるから搭載機ヒリ出してみろっ!!」 陸兵「尉官殿!自分はクソ穴方向より進軍し作戦を支援するであります!……ゲハハハッ!オラ、もっとイキめ!このボロ船がっ!」 呆然とする提督の視線の先、野卑な嘲笑の声を上げる陸軍の男達に囲む中に探し人は――長門の姿はあった。記憶から変わり果てた姿で。 長門「ぷごォォォォッ!?しきゅう゛ッ♥コブシでぐりぐりされでッ♥お゛お゛ォォッ!?うまれり゛ゅう゛ゥゥゥッッ♥」 一糸纏わぬ姿で股を拡げたまま組み伏せられ、下から兵士の肉棒が肛門を突き上げて――膣にはあろうことか、男の腕を呑み込んでいる長門。 その腹部は臨月の妊婦の如く、否――そのもの胎児を収めた丸みを帯びて妊娠腺が這い、肥大した乳房の黒ずんだ先端から乳汁を噴いている。 提督「長門、ながと……?う、あぁ……こんなの、嘘だ……」 この距離からでも分かるほど全身に染みついた精液の臭いを慢性的に漂わせ、更に腸内に精を注がれて悦びの嬌声を上げる長門。 肌の至る場所に卑猥な落書きや性処理に用いられた回数が描かれ、まるで公衆便所の壁と便器のような惨状に成り果てている。 陸曹「オイ、出し終わったらさっさと代われ若造。次は俺の28サンチ砲をブチ込んでやるわい。」 陸兵「チッ!こいつときたら、自分じゃ退けれねえ体の分際で腹だけは重くて運び辛いと来てる……とんだ欠陥便器でありますな!」 臨月腹ほどにも変わり果てていたのは、彼女の美しく逞しかった四肢――それが膝肘で途絶し、粗末な鉄板で蓋をされていた。 尻穴から腸内に溜まった精液を逆流させる間もなく別の肉棒に肛門を抉られ、短くなった手足をバタつかせ悶える長門。 陸尉「オラオラ、どうだ雌豚!ケツのチンポをマン穴から扱かれてる気分は!?ブタらしく鳴いて感謝してみろ!」 長門「ひぎぃぃッ……プゴッ♥ぷごごっ♥ぶひッ♥ぶきぃぃぃッ♥♥♥」 陸曹「がははっ!見た目に違わぬ豚らしい鳴き声だわい。大陸土産のクスリをキメてからすっかり脳が溶けておるわ!そらっ、もっと吠えい!」 膣壁越しに握った陰茎を扱くような加虐を受けてなお、長門は白痴のような笑みを浮かべ豚の鳴き真似をして男達に媚びる。 尻肉に焼き刻まれた陸軍飼育物という焼印の文字が何一つ偽り無いと、今の長門の姿が物語っていた。 陸尉「お、なんだ?急にマン穴が痙攣し始めた……うわっ!?なんか噴きやがったぞ、このクソ豚!」 長門「ぷごっ♥ぷぎぎ……ぷげえ゛ぇぇぇぇぇッ!?うまれり゛ゅう゛ッ、あがじゃんヒリでる゛う゛う゛ッッ!!??」 口の端から泡を零し絶叫する長門。拳の引き抜かれた膣が精液の大量に混じったぬるま湯を噴く……破水したのだ。 先の無い四肢を緊張しボテ腹を震わせながらイキむ長門。その膣が裂けそうなほど拡がり、大きな球体が内部から覗く。 陸佐「どけどけ小童ども、こういう時はな……腹を踏んで押し出してやればええんじゃ。ドリャアッ!そらぁッ!ドエリャッ!」 長門「ぶげお゛ッッ!?げぼっ!ぐべえ゛ッ……お゛げえ゛えぇぇッ、でる゛う゛ッ!?うま゛れ゛る゛う゛ぅぅッッ♥♥♥」 ボテ腹を軍靴で激しく踏み躙られた長門が胃を満たす精液を嘔吐しながら絶叫を上げ仰け反る。 次の瞬間……彼女の骨盤を拉げさせながら極限まで拡張された膣口を大きな塊が通り抜け、同時に肛門の陰茎が引き抜かれ 長門「ん゛ごほお゛ォォォォッッ♥けちゅあな゛ッ♥ハメあなあ゛ッッ♥ぜんぶヒリおどじでいぐう゛ぅぅぅぅぅッッッ♥♥♥」 長門の肛門が爆発した如く精液の奔流を噴出させて床を白濁した泥沼と化し、直後。そこに血と羊水にまみれた胎児を産み落とす。 陸兵「おっ!娘でありますな、こいつと母娘並べて肉便器に使う機会が愉しみであります……ゲハハハハッ!」 陸佐「ほっほっ、めでたいな。出産を祝って礼砲をくれてやるわい……そら、お前らもヒッかけてやれ。……ふぃ~。」 長門「あぱぁ~……わらひの、あかひゃんン♥はへぇ……おひっこあっひゃかひぃ♥お゛~……♥♥♥」 男達に小便を顔に浴びせられながら、知性を感じさせない笑顔を浮かべた長門もまた股から小便を漏らす。 出産した仔に引っかかって産道を体外へ捲れ上がらせ、外気に晒される長門の子宮。そこから臍の緒で繋がる赤子。全てが悪夢のようだ。 提督「嘘だ……夢だ……こんなの全部……あはははは……」 陸将「どうした、産まれたか?まったく貴様らときたら、穴が緩んだ孕み便器によく盛るものよ。獣臭くてかなわん……んン?」 陸将「あァ、そこの奴は……便器の元の持ち主ではないか。ふむ、お前ら……その便器に別れの挨拶でもさせてやれ。」 陸曹「へへっ、了解でさぁ。こんな時にいいものがありやして……ホレ、Vサインのまま剥製にしたコヤツの手。これを並べて、ホイ!」 長門「てーとくぅ……えへへぇ、ぴぃ~しゅ……♥わらひ、りくぐんせんよぉおトイレになっひゃいましたぁ……♥」 肘から切り落とされた彼女自身の腕を、顔の横にダブルピースポーズで並べられた長門がだらしない蕩け顔のまま言葉を紡いでゆく。 赤子の上げる産声と目の前の光景を夢の中の出来事のように呆然と眺める提督。 長門「れっとーイデンシのわらひをこれからも……ゆうしゅーなりくぐんセーシではらませてもらってぇ……あかひゃんうみうみしまひゅう♥」 提督「あ、あぁぁ……長門、ながと……ながとぉぉぉっ……!」 例えようもなく壊れた彼女と、脳内のありし日の可憐な笑顔が重なり……わけも分からず大粒の涙を流す提督。そんな提督に、長門は微笑み…… 長門「えへっ……さよならぁ♥♥――あはぁ♥たたかいひゃなくへぇ♥ちんぽでごーちんできるなんへ……ほんもーれすぅ♥♥」 提督「うっ……うわぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!???」 陸将「ふははっ、お客人はお帰りのようだ……それよりお前ら、補充の便器が一台では到底足りん……もっと気合入れて生産せんか!」 絶叫し狂宴の間を逃げ出す提督。背後で再び響き始めた嬌声と野次と肉のぶつかり合う音から耳を塞ぎ走り去る。 提督の走りさった廊下の床……誰にも渡されることの無かった結婚指輪が転げ落ちて、窓から射した月の光を無言で受け止めていた。 その後……艦隊壊滅の責をとらされた提督と、陸軍に渡った一隻の戦艦がどうなったか――その記録は、定かではない。 END. 59 :名無しさん@ピンキー:2014/02/28(金) 21 47 20.85 ID 8mvLKZG9 初めましてこんにちは。まずは最後までお読み頂けましたこと誠に感謝です。 監獄戦艦ナガト(制作BLACK Lilith)なんてエロゲをSS一本に詰め込んだような内容ですがお愉しみ頂けましたら幸い。 色々ゲームにもリアルにもそぐわない描写があったかと思いますが、エロゲ的な空間故とご寛容頂ければありがたいです。 ではまた折を見てなんか書けたらなーと思いますのでどうぞ今後ともよしなに。お目汚し失礼しましたー。
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394 :黄金色の朝 1/2:2014/05/14(水) 23 58 03.20 ID 2fR4CAJ5 「ん……」 空が明るくなってきた時刻、俺は目が覚めた。 起きがけで多少ぼーっとしていたが、抱きしめていた、やわらかくあたたかい存在を確認した途端意識がはっきりとした。 穏やかな寝息をたてて、まるで天使のような顔で眠っている少女。 彼女の名は電。俺の妻で駆逐艦電の力を持った少女だがこうしているとどこにでもいる普通の少女と変わらない。 いつもは留めている髪をおろしたその姿はまた魅力的である。 その電の長い髪を撫でていたら電は驚いたように目を覚ました。一瞬の間の後安堵した顔で 「………おはよう……」 「おはよう、電。起こしてごめんな」 「いえ…」 「Доброе утро」 「二人ともおはよう」 聞き覚えのある二つの声に反応した俺達は声がした方を見た。 電の姉の響と雷がいた。その表情はほんの少し怒っているようだった。 「あなた達さあ……夫婦なんだからもっと激しく愛し合いなさいよ。そこまで繋がっているんだったら」 「まるで付き合いはじめた恋人同士って感じだね」 呆れた感じで言う二人。俺と電は正式に結婚していて。今お互いの性器を結合させていた。 電の膣内はとても暖かくて、動かさなくても気持ちがいい。 「寝る前にエッチするかと思ったら繋がっただけでそのまま寝ちゃうなんて…一応夫婦になったんでしょ」 「だって……そんなことしなくても、何もない時間だって、とっても幸せなのです」 「繋がっている時点で何もないって言えるのかな…」 繋がっただけで激しい行為に至らないのは初夜の時に電を痛がらせてしまったからかもしれない。 電も俺も性行為は初めてであり、勝手のわからない俺は電の都合も考えず勝手に動き、すぐに果てた。 電は大好きだった俺と初めてを交換し合えた喜びを表に出していたものの、 その顔は痛みと涙で溢れていた。涙は嬉し涙もあるだろうが、俺は罪悪感を感じた。 だから二回目以降は入れてもすぐに動かさずに電が慣れるまでじっと抱いたままでいた。 そんなことを繰り返しているうちに動かさなくとも入れただけ、繋がっただけでも割と満足出来るようになった。 いわゆるポリネシアンセックスというやつだろう。 俺は電と繋がりながら抱きしめることで心が満たされ、電も俺と繋がったまま包み込まれていることに心が満たされた。 もちろん射精だってそのうち起きるが、 俺達は毎晩眠ろうとしてから起き上がる時までに射精していようと繋がりを保っていた。 395 :黄金色の朝 2/2:2014/05/14(水) 23 59 28.81 ID 2fR4CAJ5 毎日毎日ヤっていたら赤ちゃんが出来ちゃわないかって?心配はいらないさ。 元々艦娘達には生理によって体調や心理の変化が起きることを防ぐために特製のピルを服用する事を義務付けた。 それにより有事の際に生理によって力を発揮出来ない事や、妊娠してしまい戦闘行為が不可能になる事態が防がれている。 「どんな性活送っているのか気になってここに来たけど……あなた達の事だから私達が口出しするようなことじゃないね」 「幸せそうだから気にしないでおくわ。じゃあね。電を悲しませちゃダメよ」 そう言って二人は部屋から出ていった。 「電……」 「いいの。あなたとただ繋がっているだけでもとても幸せだから…… 私が沈んじゃうような怖い夢を見ても、目が覚めたら大好きなあなたが目の前にいてくれて…元気になれるのです」 電の素直な告白に思わずドキドキする俺。だがいつまでもドキドキしっぱなしではいられない。 「ところで…」 「うん…」 阿吽の呼吸のように通じ合う二人。互いの目の先には 俺も電も、響も雷も、完全に見て見ぬふりをしてあげていた少女の暁が放ったらかされたまま静かな寝息をたてていた。 これでも暁型では一番のお姉さんである。 「どうしよう…」 「せっかくだし久々に姉妹水入らずで一緒に寝たらどうだ?確か来客用に布団があったはず。あとパジャマも」 「うん、着替えて一緒に寝るね」 そう言って電はパジャマを着替えにいった。俺は新しい布団を用意しに行った。 ふとカレンダーを見たら今日は5月14日だった。 『私が沈んじゃうような怖い夢を見ても、目が覚めたら大好きなあなたが目の前にいてくれて…元気になれるのです』 俺は先ほどの電の言葉を思い出した。電が驚いたように目を覚ましたのはそういうことだったからなのかもしれないと思った。 愛する妻の苦しみや悲しみを和らげてあげたい。ずっと一緒にいて……二人で幸せになりたい…… そう思って俺は少々けだるい体を奮い立たせて今日も一日頑張ろうと決意した。 ―終― +後書き 396 :黄金色の朝 後書き:2014/05/15(木) 00 05 13.23 ID nT7rNLjw 多少の独自設定も入れた電ちゃんとの甘々SSです 後書きは日付跨いだけど本文は何とか間に合った…… ちなみにタイトルは本当はGWに仕事ばかりなのでせめて朝はこうだったらなあ…と思って考えたものの名残です でも朝起きたら電が目の前にいてくれたらそれだけで黄金色に輝く朝ですよね それでは
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あなたがGIF班になることで救われるnama主がいます GIF班(ギフはん・ジフはん) GIF班とはnama主の勇姿を記録する陰の立役者である。 namaはその仕様上アーカイブは残らない しかしnama主たちの艦これでの激闘はそのまま消えゆくにはあまりにも惜しいものばかりであった そこで有志が立ち上がりnama主のラスダンをGIF班として記録するようになった そして集まったGIF画像が振り返り動画として編集され放送される GIF班無くして振り返り動画は無いのである GIF班になろう! イベント時は特にnamaが混雑しており深夜や早朝であってもラスダンnamaが放送されることは珍しくない GIFを録画できるkomeは一人でも多い方が撮り逃しを防げるためここでGIFの撮り方を解説する。 1.GIF録画ソフトをインストールする 画面をキャプチャしGIFとして保存できるソフトの中でも直感的に操作できるのが、「ScreenToGif」である。ダウンロードはこちらから。 2.ScreenToGifを起動する ScreeToGifを起動したら一番左のレコーダーを選ぶ。 3.GIFを録画する これがScreenToGifである。起動したときのサイズは小さくモニター一枚でkomeやnamaを見ていても隙間に収まるようになっている。 アイコンについて左から解説する。 歯車-設定を開く。 fps-フレームレート。画像では30fpsだが15fps以下でもnamaを十分録画できるし完成したGIFをkomeにも貼ることができる。 エリア-キャプチャ範囲を設定できる。視聴中のnamaのサイズに合わせよう。 ●-録画ボタン。録画中は一時停止ボタンに替わる。 ■-停止ボタン。録画中や一時停止中に停止するとGIFの保存などができるエディタ画面が開く エリアでnamaの範囲を指定し、録画ボタンを押すだけで誰でも簡単にnamaを録画できる。 4.エディタでGIFを調整する 「名前を付けて保存」からGIFを保存することが可能であるが、その前に見やすいように調整することができる。 上のタブの「編集」からGIFのフレームを削除することができる。 「以前を削除」で選択中のフレームより前のフレームを、「以後を削除」で選択中のフレームより後のフレームを削除できる。 余計なフレームを削除することでスッキリした見やすいGIFを作ることができる。 5.名前を付けて保存する GIFができたら上のタブの「ファイル」から「名前を付けて保存」を選択する。 特に設定はいじらなくていいが「保存オプション」で「ファイルアップロード」チェックを入れ、「Imgur(匿名)」を選択することで保存後に出るURLをそのままkomeに貼ればGIF画像を流すことができる。 GIFを録画の流れは以上である。 これで君もGIF班だ! GIF班質問コーナー Q.namaのどのタイミングで録画開始すればいいかわかんない… A.namaが始まったらすぐに録画開始ボタンを押すと良いでしょう。艦これというゲームのシステム上、ネルソンタッチなどで開幕ボス撃破する可能性があります。過去に初手ネルソンタッチでボス撃破してしまいGIFを撮れなかった事例があります。そういった悲しみを防ぐためにもnama開始と同時に録画を始めると良いでしょう。 Q.撃破シーン撮れたけどどこからどこまで切り取ればいいかわからないです A.基本はフィニッシャーの攻撃開始からゲージが割れる演出までを切り取ってGIFにすれば良いでしょう。また撃破時に茶番を挟むnama主の突破時は茶番部分もGIFに入れると喜ばれるでしょう。 Q.他のGIF班がいるしし自分は録画しなくてよくない? A.ラスダンは可能な限り録画してほしいです。他のGIF班がいても録画ミスや録画したGIFファイルが破損している可能性もあります。できる限り多くの人がGIF班となることでそういった事故を防ぐことができます。 Q.録画に失敗してしまいました。GIF班から破門ですか…? A.次回から気をつけましょう。録画ミスは人間である以上起こりうることです。気持ちを切り替えて次のnama主は撮り逃さないようにしましょう。
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「そんな、こんなことって?!」 「や、ヤバっ! まずいでコレは!」 軽空母2名が悲鳴を上げる。実戦経験がほとんど無い新人たちの実地訓練を兼ね、北方海域の 巡視任務についているこの戦隊。その引率役として提督から指名された二人はそこそこ以上の経 験の持ち主であり、それゆえにこの状況の危険さを理解していた。 彼女たちが放った艦載機による先制第一波。本来ならこの一撃で敵艦隊は半壊だ。個艦として も傷つき、隊列も乱した状態の敵艦隊は経験不足の艦娘たちにとっては絶好の訓練目標。そうし て新人たちの実力の底上げを、という意図で送り込まれたこの戦隊だったのだが……。 送り込んだ艦載機たちは、いったいどうしたことか、ほとんど何の戦果も上げることができな かったのだ。体力の衰えもなく、戦列も乱さず、急速に距離を詰めてくる深海棲艦たち。本来は この海域はかなり精強な敵が潜むエリア。経験不足の駆逐艦娘・軽巡娘たちにどうにか出来るよ うな相手ではない。 「こうなったら……ウチらのせなあかんこと、解っとるな!」 「は、……はい! 私達で少しでも奴らを食い止めましょう」 脆い武装、乙女の柔肌。それでも己の武装の使い方もよく解っていない彼女たちよりはまだマ シ。自分たち二人が蹂躙されるのは覚悟の上、せめて彼女たちを少しでも逃してやらねば。まだ 幼なさを残す軽空母2名の横顔に悲壮な決意が浮かぶ。 敵の先頭艦の、そしてそれに伴って後続艦から放たれる発砲の閃光。次の瞬間、この周囲は硝 煙まみれの水しぶきと爆熱に埋め尽くされる……はずだった。 が。 「どうやら、私の出番のようだな」 着弾の衝撃に耐えようと身を縮めていた二人の視界に飛び込んできたのは、先程まで背後に控 えていた大柄な艦娘。薄い金髪に鋭い視線、大胆に晒した褐色肌が描く優美な曲線美。彼女自身 の大柄さに負けず劣らずの巨大な武装は、彼女が並大抵の艦娘ではないことを視覚的にも否応も なく示している。 「む、武蔵はん?!」 「あなただってまだ、鎮守府に着任したばかりじゃ」 軽空母二人の声を、武蔵は軽く手で制した。 「確かに私はまだこの武装を使いこなせてはいない。しかし、皆が退避するまでの時間稼ぎくら いは出来るつもりだ。なに、私は大和型改良二番艦。こんな巡洋艦クラスの攻撃ですぐにどうに かなるほどヤワには出来ていない」 視線をわずかに緩めて微笑む武蔵。たしかに敵の先ほどの一斉射撃も、彼女はその掌で受け止 めている。 「判ったで、……武蔵はん、ちょっとだけ頼むわ」 「みんなの撤退の準備が整うまで、少しだけお願いします」 「任された」 後方海上で恐慌に怯え竦む艦娘たちをまとめに走り去る軽空母2名。次射の態勢へ移行しよう と綺麗な弧を海面に描く敵艦隊を一瞥し、武蔵は軽く笑った。 あの日に比べればこの程度の攻撃など蚊の一刺しと大差ない。誰一人ここを通しはしない、と。 鎮守府、艦隊司令室。 軽く蝶番を鳴らして扉が開き、出撃から戻ってきた艦娘一同が提督の前に並ぶ。 定数6名。出撃したときの顔ぶれが全員無事に揃っている。 「事情は聞いている。……お疲れさま。みんな、今晩はゆっくり休んでくれ」 そう提督に言われ、ぞろぞろと司令室を出ていく艦娘たち。いや、ちらちらと何か言いたげに 部屋に残る者に目線を送ってはいるのだが。その残った者、すなわち艦娘・武蔵は出ていく彼女 たちに軽く笑顔で手を振った。ぺこりと頭を下げて出ていくのは駆逐艦娘か。 「……で、だ。この武蔵、提督には言いたいことがある」 自分と提督以外の全員が部屋を出ていき、扉が閉められた後で武蔵は切り出した。 「先に聞いておきたいが、今回の作戦、立案したのは誰だ?」 「俺だ」 「こういう編成にしたのは誰だ?」 「……俺だ」 「ふむ。昨日の出撃時は正規空母1、軽空母3の編成に育成艦をつけての出撃だったそうだな。 そのときならば何の問題もなくあの子たちに経験を積ませてやれた、そうだな?」 「……ああ」 「それならそのまま今日の編成も組めばいいものを、入渠許可を出すのを忘れていて怪我した飛 龍をそのまま放置していた。そうだな? 可哀想に、あいつ今朝も痛めた肘を庇っていたぞ」 「……うむ」 「その上に、育成艦枠を一隻ぶん増やすために隼鷹を外した。理由はなんだ? 思いつきか? 『自分が行かなくて大丈夫なのか』と隼鷹の奴が相当心配していたぞ。それでその穴埋めにつぎ こんだのが自分か。戦艦と正規空母の違いくらい知ってる筈だろう、貴様くらいの経験があるの なら。どうだ?」 「……面目ない」 「その戦力不足が招いた危機を、我が身を盾にしてカバーしてやったのは誰だ?」 「……君だ」 「聞こえないな」 「君だ」 「君、じゃない。きちんと名前で呼んでもらおうか、今回の殊勲者の名前だ」 「……武蔵、おかげで助かった」 その言葉に、にんまりと武蔵は笑みを浮かべる。 はじめからそう素直に出ていれば、苛めてやろうなんて思わないのに。内心そう思いつつ。 司令のデスクの端に武蔵はその豊かな腰を降ろす。おしりのラインがデスクの角を包むように 歪むのも、おそらく提督の目からはよく見えることだろう。 す、と、優美な曲線を描くそのしなやかな腕を伸ばす。提督の目の前に手の甲を近づけて。 「治せ」 「え?」 「見えないのか。今日の戦いで、私の手の甲に傷がついた」 確かにそうだ。手の甲に、筋状にわずかに皮が剥けているのが判る。 「しかし、治せと言われても。入渠許可を出せと」 いうなら出すぞ、と言いかけて提督は次の言葉を飲み込んだ。武蔵の目が笑っていない。まだ 付き合いは短いが、こうなったときの彼女は本当に危険だ。 「……提督は知らないのか?」 「何を、だ」 「童話だ」 「どういう、ことだ?」 「お姫さまのバッドステータス解除には王子様のキスと、相場は決まっているだろう」 誰が王子で誰が姫だ、とくに姫が……などという言葉は、むろん口に出せるわけもない。そん なことを口にしたなら入渠するのは自分のほうだ。それくらいは判る。 身をかがめ、武蔵の手の甲に唇を寄せる。 ……触れた。かすかな産毛の感触。なめらかな女の肌。触れた感触に「ぴくり」と彼女が反応 したのも、肌を通して伝わる腱の動きで判る。 「ゆっくり、丁寧にな」 その肌の表面にわずかに刻まれた傷にそって、提督は舌先を這わせる。わずかに視線をあげて 武蔵の表情を伺うと、……目を閉じ、かすかに眉を歪めて。 「次はこちらだ」 武蔵が身を捩る。腕を組み、その豊満な乳房を組んだ腕で持ち上げる。 「こちら……というと?」 「ここだ」 脇腹か。弾片がかすめていった跡か、さらしの合間から覗く褐色の肌に走る浅い傷。 「ここを?」 「そうだ」 その声にかすかに艶がのっていたのを、提督も、武蔵本人も気づいているや否や。 脇腹の肌に、提督は舌を這わせる。 「んっ……、うん、そうだ……っ」 さすがにずっと敏感な部位だ。そこで異性の存在を……そう、艦娘・武蔵にとって既に提督は ひとりの異性になっていた……感じる。敏感な柔肌で、敏感な唇を、舌を感じる。 浅い傷口に提督の舌先が触れるたび、武蔵の身体に走る甘い痺れ。抑えているつもりなのだが それでもかすかに吐息に声が乗ってしまうことまでは止められない。その声音がまるで、女の淫 らな呻き声に聞こえてしまうようで、そんな声をこの刺激で漏らしてしまう自分自身がそもそも 淫らな生き物のようで……。 机についた手、その手がいつの間にか机の天板の端を強く握っていることに武蔵は気づいてい ない。本当はその動作自体、自分の「おんな」を呼び覚まそうとする雄の背中を掻い抱く行為の 代償でしかないことにもまだ気づいてはいない。 いつの間にかずいぶん荒くなった吐息の合間から、武蔵は提督に「もういい」と呼びかける。 「そうか」 そういって立ち上がる提督に、武蔵はデスクから滑り下りて近寄る。提督と合わせた目線は離 さぬままに。猫科動物のようなしなやかさを、その視線から、その肢体から、提督は一瞬感じた のだが、その意識は次の瞬間別の刺激に揺さぶられることになる。 「?!」 第二種軍装の白ズボン。その「前」の上に武蔵の手がある。優美にしなやかににじり寄ってき た動きそのままに男の急所を抑えられ、回避も防御もできなかった。 リンネル地を通して伝わってくる怒張の熱、存在感に、武蔵は満足気に笑みを浮かべていた。 自分だけが色めいているのだとしたら悔しい、提督もその気になっていたのが嬉しかった、そう 後になって気づくのだが、この時点では玩具を見つけた子供のような感覚で笑みがこぼれたにす ぎないと、彼女はそう思っていた。 「あ、おい、こら、やめ」 提督の制止の言葉がろくに育たないうちに、するすると武蔵は提督の「それ」を外気に晒す。 「それ」はズボンから取り出される勢いに乗って激しく屹立していた。艦娘……いや、女の身に はない器官。砲弾のように固く、ボイラーのように熱い。そしてどくどくと脈打つその存在感は、 巨大な艦船をぐいぐいと進ませるタービンよりもはるかに上だ。提督の、否、この男という存在 のいちばん重要な部分が、いま自分の前にさらされている。そう感覚が告げている。 熱に浮かされたような意識の合間合間に、言葉を繋ぐ。 「提督、……厳しいことは言ったが、それでも私も貴様を認めないわけでは、ない」 上目遣いに提督の顔を見上げながら。 「この、『これ』を見れば判る。余計なこともせず、我々が戻るのを心配して待っていたのだろ う? 疲れると尚更激しくなると言うしな」 そう言いつつ、肉柱をゆるゆるとその手で撫でる。 うっ、と上から漏らされた声が、武蔵のなかをくすぐってくる。 「不注意と慢心で我々を危険に晒したのは罰に値する、そして……心配して待っていてくれたの は、立派に褒美に値する」 唇を、肉柱の頂点に寄せる。普段ならあまり嗅ぎたいとは思わない匂いなのに、不思議と武蔵 の胸中には嫌悪感は涌いてこない。 わずかに湿ったその肉柱に、すっと舌を這わせる。「ううっ」と、さっきよりもはっきりと漏 らされる提督の声。 判るぞ、……心地よいのだろう? ビクビクするほどに心地よいのだろう? こうして、貴様のナニの先を私が舐めてやることが。熱い肉の柱を私が撫ぜてやることが。私 の口の中でその先端を含んでやることが。私が提督にしてやることが。心地よいのだろう? 気 持ち良いのだろう? ほら、先を少し強めに吸うと、貴様の腰がびくんと跳ねる。 ほら、柱をせわしくしごいてやると、貴様のこの柱がますます熱くなる。 触れたいのか? 私に触れたいのか? 駄目だぞ、今日はまだ駄目だ。 今日ここで全てを委 ねるほど私は安くはないぞ、でも……貴様が男としての悦びにふるえているのは、それを私が操 っているのは、それはとてもうれしいことで。 そう。貴様を悦ばせるのは、貴様に悦ばされるのは、私だけでいい。 一気に雁首の周りを撫ぜる速度を早める。這い回る舌の動きを高める。 びくん、ビクン、びくん……間欠的に肉柱から伝わってくる痙攣が一気に激しくなって。 その肉柱の先端を、武蔵は綺麗に口中に含む。おとこが果てる、その瞬間を。 「う、ううっ、くっ、う、……出る、いくぞ、うっ」 その提督の言葉と同時に、武蔵の口中に撒き散らされる熱い迸り。 びくん、びくん、と痙攣をつづけながら、そのたびにどくんどくんと肉柱の先端から吐き出さ れる「それ」。匂いも口中の感覚も日頃見慣れるようなモノではないとはいえ。 こくん。 自然に、武蔵は「それ」を喉の奥に押しやった。 愛する男のとまではゆかずとも、自分が吐き出させた精の当然の受け止め方だと彼女は思った。 半分魂が抜けたような顔で呆然と提督は突っ立っている。 「前、いい加減仕舞え。仕置も褒美も終わりだぞ」 「……あ、ぁ、ああ」 「しゃきっとしろ。この後もまだ仕事は残っているのだろう? 私は入渠してくる、後のことは 任せたからな」 軽く提督の肩をたたいて、武蔵は司令官室の扉を出ていった。 その数時間後、船渠からの資材伝票に書き込まれた数字に目を覚まされるまで提督が夢見心地 だったことまでは、詳しくは触れないでおくことにする。
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295 名前:クズ ◆MUB36kYJUE[sage] 投稿日:2014/07/31(木) 23 09 30 ID 83ch0TLo [1/10] 前スレ 807から大鳳と祥鳳の修羅場ものを投下したものです。 続編を書いたので投下します。 例によってドロドロが苦手な方はスルーをお願いします。 三章 1 自然な目覚め。ぼやけた意識が輪郭を取り戻すと、ある焦燥がさあっと胸を撫ぜ下ろした。上体をばねの様に跳ね起こし、未だ視界 の霞むまま、提督は枕元に時計の時刻を見る。盤面上の短針は、ちょうど五を指した所であった。 それは習慣だった。大鳳が朝の走りこみに彼を誘うようになってから、彼は自身の寝顔の見られることを嫌い、五時の十分前に目覚 ましを鳴らしているのである。傷心の昨晩、ただただ逃避を求めた提督は、何にも意の向かうことなくベッドへと沈んだ。裏側のつま みを押し上げるだけのごく小さな手間さえ億劫でならなかった。時刻をセットしなければという観念はあったのだが、結局意識の落ち るまでにそれを果たすことはできなかったのである。 体躯が独りでに覚醒したのは、羞恥と恐怖による作用があったためだ。寝顔を見られる、意識の無い間に部屋に入られる。自身の秘匿、 意識的なものであれ無意識的なものであれ、そういったものが露呈してしまうという事に厭悪の念がある提督であった。こと大鳳が相 手となると、なにやらぞっとしないのである。 その朝、彼女は部屋へとやってこなかった。どちらにせよ、万斛の愁いに浸った今の精神状態ではランニングなぞできるわけもない。 朝食まで無聊な時間を過ごす事ができたのは幸いであって、彼は彼女と会ったときへの備えとしてあらかじめ言葉を選び取ることがで きた。 非は自身にあるから相手の出方に合わせねばならない。だがそれでも、深刻なことにはならなそうだと楽観できた。あのあてつけは、 向けられていた好意を知っていた上で行われた。舌を差し込んだとき、一瞬の恍惚と悦楽の吐息が唇に感じられたし、落涙は嫌悪によ るものでない事も分かっていた。祥鳳について無遠慮に踏み込んだあの発言がトリッガーだった事を、彼女とて自覚しているはずであ る。ならば反省やら悔悟やらが凝結して、寧ろ相手の方から様子を伺ってくるやもしれない。気遣わしく思う必要はないと結論付ける のに、大して時間は掛からなかった。 大鳳が執務室の戸を開けたのは九時丁度、通常の業務開始時刻である。奇妙な緊張感を纏いながら、彼女は提督の隣に黙って並んだ。 仔細な様子はなかった。積まれた書類を手前に引き寄せ電卓を弾きペンを持ち、彼がそうして仕事をおずおず始めてみると、大鳳も 黙して自身の職務に手をつけた。デスクワークの時間においては、普段の日も割りに静かではある。だが今日は何時ものように挨拶を 端緒としなかったために、異様な重苦しさが両者の息をきりきり詰まらせるのだった。 この展開は、提督が想定した中では最も面倒なものであった。いっそ赤ら顔に怒ってくれていたほうが、まだ宥めようもあったのだ。 恬然とした表情が作り物であることに疑いは無い。だとしてもこちらから不意に謝ってしまっては、寧ろ彼女の機嫌は修復不可能なレ ベルにまで損なわれてしまうだろう。生娘の心理の機微ほど明瞭でないものもなく、提督とてその夜陰の原野には迂闊に踏み込めない のだった。 昼を食べるときに必要最低限のコミュニケーションはあったものの、結局日の落ちるまで気散じな会話はなかった。もし業務外の雑談 をしようとすれば、その話題はどう繕ってみた所で昨晩の事となってしまう。口を開いたが最後、今日やらねばならない最低限の事さ え手に付かなくなるだろうことを、両者は察知していたのだった。 即ち、口火の切られたのは執務の終了後、部屋をでる直前になってからであった。 倦怠の体を労わるように、開いた窓から風が通る。部屋に篭る執務の熱が、攪拌されて冷まされた。互いが互いを散々忖度し尽くし た為に、寧ろ停滞してしまったこの状況において、解決の端緒となるは、やはり立ち去る権利の有された彼女の方であったのだった。 「提督」 見送る視線をうなじに感じ、ドアノブに掛かる指が強張っていた。大鳳は緊張によって震える声音にそう一言呼びかけると、小さな 双肩を縮こまらせた。 「なんだ?」 背中へ聞き返し、彼は椅子から立ち上がる。机の前に立ち、少しだけ体重を預けてみると、ぎしりと耳障りな音が鳴った。 厭に間が開いた。彼女の中では、既に言葉は定まっているはずであった。呼びかけてしまった時点で後に引く事もできないのに、躊 躇が喉を狭めているらしい。人差し指で机の淵を叩いてみると、彼女の体躯は、発せられた硬質の音にびくついた。 それが契機となったらしい。一つの長い深呼吸の後、彼女は大仰に振り返る。顰められた眉、睨みつけていると言ってもいいほどに 細められた眼。口は固く結ばれ、背負う覇気は重々しかった。 真剣な表情にしかし、提督は自身も真面目らしい顔を維持するのにかなりの労をとっていた。まさしく沈黙の半日を象徴する表情だ なと心の中で一人言つと、それもまた何やら面白く思われ、ひくつく頬を押さえ込み、目を逸らして何も考えないようにする。死地に 赴かんばかりの純真さは、立場が違えばコメディだった。 入念に熟成されすぎた言葉が、薄い唇を割った。 「昨晩のことは、忘れたほうがいい?」 癌を告知するような、厳かな風を漂わせた発言だった。しかしこれは朝の暇の間、まず真っ先に予想できたものでもあったのだ。こ の肩透かしな言葉を聞くや、腹底から猛然と駆け上がってきた嘆息を、彼はすんでの所で飲み込んだ。 どう返答するかも決めていた。間髪いれずに 「お前は忘れたいのか」 そう聞き返すと、彼女は吃驚したように目を見開き、遅れて頬を淡く染める。 「質問を質問で返さないで!」 「なんで」 「あの、困るわ。そんな事聞かれたって、私、答えられない」 両者の間が詰まる。一歩一歩、提督はゆったりと彼女に近づいてゆく。絨毯の踏まれる足音が耳に入るたび、脅えたように眼が涙を 湛えたようだった。とうとう耐え切れなくなると、大鳳は体ごと視線を背ける。ドアノブにもたれる様にして、背が小さく丸められた。 横顔に垂れる一房の髪が、掬い取られ、撫ぜられた。震える肩の強張り、筋立つ手の甲。眼は瞑られ、その拍子に一滴の雫が流れ落ち る。目尻から頬、そして頤へと煌く筋が顕れ、色白で滑らかな肌を彩った。 頬に手を這わせる。従順に正面へと向いた顔には、しかし脅えの色があった。 「駄目。提督、駄目です……あっ」 僅か押される腕。引き離そうとするその動きに、ほとんど力は込められていない。唇の重なり合うと同時、大鳳は自ずから目を閉ざ してしまったのだった。 啄びの最中、口の少し離れるたびに、小さな嬌声交じりの吐息が漏れ出す。嬲られる唇の甘い刺激が、胸を締め付けてならなかった。 彼女は縋るようにして、彼の胸元、縒れた白の上着を掴む。浮いた背の隙間に、すかさず腕が入り込み、両者の体躯はぴったりと密着 させられた。 彼の舌が口腔内へと進入する。口の離れた時にしか発せられなかった吐息が、開かれた隙間、唾液の跳ねる音と共に、常時聞こえる ようになる。羞恥と悦に腰の抜けそうになった彼女は、股の下に差し込まれた大腿に支えられて、何とか立ち続けることができていた。 快楽の蹂躙に蕩けた思考は、更にその先を求めだしたらしい。恐々と言った風ではあったが、大鳳は遂に自ずからも舌を差し出し始 める。ぬめる両者が口と口との間に触れ合うと、羞恥の熱が遅れて彼女の胸を焼く。 供物の捧げられたのを感じ、彼はすかさずにそれを絡めとった。吸い、嬲り、大きな水音の響くたび、記憶の辛さが溶けるように和 らいだ。今、目前の娘を感じ、補填による充足が気を軽くしている。満たされるという感覚ではなく、代替によって補われ、癒えると いった風だった。自身の腹底の暗い事に驚懼し、だが湧き出す自嘲の痛みさえ、この補填が紛らしてしまうのである。 「ベッドに行くか?」 口を離し、伝う橋もそのままに聞くと、彼女はこくりと頷いた。提督の眼に滲むのは、ただただ深い憐憫の情のみである。 2 彼女は褥に横たわった。 既に腹部と首元の装甲は外されていた。肩に掛かる上着を脱がしてみると、滑らかな色白の肌が凄艶である。軽く握られた掌が顔の 横に置かれる。今や露わになった腕の華奢さに、危うげな、無垢の妖艶を感じて、提督は生唾を飲み込んだ。 手折られた茎を思わせる手首に、彼は唇を近づけた。僅かに膨らむ筋を食み、舌を這わせると、閉じられていた指が開いていった。 覆いかぶさる体温と、感ぜられる吐息の熱さ。そして舌の淫靡な感触に、大鳳は胸奥を痒がらせる。意想外の部位であった。故に、 与えられる刺激への覚悟が無く、たちどころに力の抜けるような感じがした。 数分間続いたこの手首への愛撫は彼女の思考悉くを蕩けさせ、眼は溶け落ちそうに潤んでいる。 インナーと肌との間には一縷の隙間も無く、体躯の細さがより際立つ。一度上体を持ち上げた提督は、彼女を俯瞰した後、今度は首筋 へと口を下ろした。 「あっ……」 鎖骨に触れた湿りが、彼女の喉を鳴らした。差し出された舌はそのまま首を登攀し、丁度頤に目尻の触れる場所まで辿り着くと、深く 咥えこむように唇が開かれた。 吸われ、跡の付けられていることを知覚し、大鳳は慌てて抵抗しだした。力の緩びきっていた体が、息を吹き返したかのように暴れる。 顔を背け、肩をよじり、腕は彼の胸を押した。 真意の掴めない内に、恋人のような睦みを受ける不安。それが漠然とした恐怖となって、彼女の胸を痛ませた。ましてや、キスの跡と は所有の証とも捉えられかねないのである。身の堕ちる感覚が、背徳の悦でもあり、屈辱でもあった。 「駄目、やめ……んっ」 幾ら頭を振っても、彼の口は離れない。一秒、二秒と時間の経過してゆく度、彼女の快楽はその暗がりを増していった。自身の純真 が犯され、蹂躙されている事を、泣き出したい気持ちに受け止めている。それは決して厭悪の感触ではなく、寧ろ被虐の悦びを享受し ている風だった。首筋のこそばゆさは、やがてぴりぴりとした刺激に変化する。 舌で慰撫した後、口を離して眺めてみれば、濫りがましい鮮やかな朱色が咲いていた。指先で拭うように触れてみると、彼女の口から は熱い息が吐き出された。 「服で隠しきれないね」 煽られた嗜虐心に従い、そう言って見せると、彼女の瞳には絶望の色が滲んだ。見咎められる場面でも想像したか、眼は潤み、頬は これ以上ないほどに赤くなった。 腕が、再びぱたりとベッドに落ちる。提督は手首を押さえると、今度は優しく口にキスをする。舌も差し込まず、ただ唇同士を触れ 合わせるだけの接吻であった。 その効果が如何なるものか、きちんとした予測はあった。果たして大鳳の心情は、それとまったく同じ動きを見せたのである。即ち 仮初の恋慕。望む望まざるに関わらず、彼女は想いの通じ合う喜びを垣間見た。甘い歓喜に身を震わせ、刹那の慰みが心中を癒した。 だが奥深く、根源の感情は寧ろ、引き千切れそうなほどの切なさ。どうせ裏切られるのだろうという諦観の観測が、胸底を炙り疼かせ るのだった。 悦楽への端緒として、最終的、そして究極的な感情は悲壮である。身の結合とは反対に、感情においては繋がらない。そういった背反 の空虚こそが、性の快楽を最大のものとさせる。提督は大鳳を好いてはいなかった。そして、ただ彼女のよがる姿を見、それを慰めと したかったのだ。 このキスに、いや愛撫全てにおいて慈しみなど込もってはいない。慕情の無きを伝播させるに、恋愛的好意を用いるのだった。彼女 を貪婪にさせ、ひいては淫猥と呼べるほどにまで乱れさせる。その目的への手段として、清白な純真を踏み躙り、汚すのだ。 後ろ首の留め具を外す。腹の辺りの弛みを掴み、引っ張った。インナーは滑らかな肌をするすると滑り、遂に薄い膨らみを通り越え た。 露わになった頂を隠そうとしたのか、ほんの少し、腕の動く気配があった。だが逡巡の硬直の後、僅かに浮いた手の甲は、力の入っ たまま降ろされる。含羞の顔を横へと逸らし、彼女は唇を噛み締めて、体に注がれる視線を受け止めた。 やはりコンプレックスなのだろうと思われた。提督は平坦のそこ見、加虐の悦を押さえ込む事も無く、頬を吊り上げ口を開いた。 「ちっちゃい」 嘲る語調が癪に障ったか、珍しく本気で怒っているらしい眼を持って、彼女は提督を睨みつける。申し訳なさの欠片もない、余裕の 笑みを視界に入れて、口惜しさは一向募るばかり。 彼唯一の弱点を知った身上、報復としてその話題を出すのに躊躇はなかった。彼女は、彼以上の嘲りの声音に、 「祥鳳さんと比べて?」 と言う。果たして、彼の目にも怒りの色が滲み、胸のすっとする様な心地になったのもつかの間、胸底の痒くなるような快楽が思考 を中断させた。 「あっ……ん、はぁ」 右胸の蕾が無遠慮に摘まれ、空いているほうには遅れて唇の感触があった。繊細な指遣いと動物的なぬめりに、背筋がぴんと強張っ た。 ただ痛くはないというだけの、容赦の無い愛撫である。温もりと形容されるような、精神的充足を感じさせる行為ではなかった。皮 膚感覚の敏感な所を執拗に刺激され、彼女の口からは熱い吐息が漏れ出した。 やがて彼のキスの及ぶ範囲は、上腹や脇にまで広がるが、その間も手は僅かな膨らみをしつこく撫ぜ続けた。指は沈み込み、掌の蠕 動が柔らかく肌を波打たせた。色付く頂が擦られると、吐き出される息には声が乗る。羞恥を感じる暇もなく、大鳳は快楽に翻弄され るだけであった。 「んぁ……はっ、ぁあ!」 勃ったそこが弾かれると、彼女は一段高い声に啼いた。刺激の残滓として痺れが残り続け、それは次第に思考までをも侵蝕する。再 び摘まれたそこの引っ張られ離される瞬間、痛みへの恐怖はしかし、快感への期待と変わっている。 飽きるまで弄び、臍の辺りに口付けた後、提督は一度上体を起こした。 「腰、浮かせて」 スカートとスパッツに手をかけて、彼女を伺い見てみると、虚空を眺める瞳に遅れて意思の光が燈る。 「……はい」 年甲斐もない甘える声の返事と共に、ゆるゆると持ち上がった腰に合わせて、彼は手に掛かる全ての布を一気にずり下げた。 今や生まれたままの姿となっている事を、彼女は他人事のように感じていた。太ももを滑る指が一度下腹部にまで登った後、とうと うその直下へと下ろされていった。蛇の進行が如くもったいぶった動きで、徐々に徐々にと近づいてゆく。 「……ぅぁ」 陰唇の上端に触れかける寸前、指の動きは完全に止まった。ちょうど、三流の悪役が獲物を目の前に舌なめずりをするのと同じよう なものであった。恋愛の無い情事において、その慰めは嗜虐によって達成されるのだ。 男を知らないそこは、恥丘の膨らみから谷の垂線まで、清白の極限であった。だが不釣合いにその全体は淫靡な粘液に濡れ、桃色の 襞が婀娜やかにひくついている。再び動き出した指先が陰唇の上端を掠めると、歓喜の嬌声が彼女の意思に反して漏れ出した。 「あぅ……ん、ぁ!」 這わされた指は、その全体が包まれるようにうずまり、細かく上下に震わすと、卑猥な水音が部屋に響くようだった。時折軽く叩く ようにすれば、その音はより鮮明になり、飛沫はシーツと脚とを汚してゆく。 今すぐに舌を噛み切りたいと思うほどの羞恥に苛まれ、大鳳はかぶりを振った。胸への愛撫を受けた際には、ただぼうっと思考の蕩 ける感じがするだけであった。だが直接的な、下準備としての行為は、自身の雌としての本能を無理やりに剥き出しにさせられてるよう で、侵される矜持に我慢がならないのだ。 提督はずいと体を寄せたかと思うと、空いていた方の手で髪を梳きながら、耳の淵へと舌を伸ばした。輪郭をなぞり上げ、耳たぶを 軽く甘噛みし、思わず足の緊張の解けたのが感じられるや、すかさず陰部への刺激を大きくする。解きほぐすようにして、表面から奥 深くへ、蒸れた卑猥の孔を穿った。 「ま、待って! ひぐっ……んぅ」 懇願は無視をされる。最早与えられる過大な快楽に僅かな抵抗さえできない彼女は、ただただ一方的に嬲られるという被虐の悦を享 楽するしかなかった。 自身が自身でなくなるような恐怖を抱き、彼女は提督の体躯にしがみつく。喘ぎ声を聞かせるような格好をしている事に、気が付く 余裕も無い。頬を擦りあわせ喉の震えるまま、獣性の蹂躙をその身に受け続けた。 時間間隔の希薄になるほど蕩けきった思考が、快楽による拷問の終わった事をようやく遅れて認知した。横隔膜の絞られた痛みや、 臀部にまで感じられるシーツの湿り気。そういった残滓が一つ一つ知覚され、今現実に再び帰還したような心地となった。 布擦れの音と視界の肌色に、どうやら彼も服を脱いだらしい事が分かった。大鳳は逡巡の後、その行為の意図を察すと、慌てて迫る 胸を押した。 「あの、提督」 「なに?」 「愛してるって、言ってください」 ハスキーな声音が、より掠れている。提督の胸には憐憫や寂寥がわだかまり、咄嗟の返答をできなくさせた。 「愛してるって言ってくれなきゃ、入れちゃ駄目なんだから。……私、祥鳳さんの代わりなんて、厭」 答えを待つ視線が焦りに揺らいだのは、それを言い終えた直後だった。 罪悪の意識が無かったわけではない。それでも、その一語を言うに未だ提督は臆病すぎたのだ。無理やりに開かせた足の間、肉槍の 迫っている事を感じ取り、大鳳は半ば悲鳴に近い声を出す。 「駄目、いやぁ! 提督、待って!」 本気らしい抵抗があった。拳が胸を叩き、足と腰はそれを遠ざけようと懸命に暴れる。しかし既に覆いかぶされている状態では、全 て無駄な足掻きだった。 その痛み、自身が犯されたと気が付いた時のその表情を見て、提督は暗い愉悦を感じた。 「……ひどい」 吐き出される呪詛が耳に心地よい。向けられる恨めしい視線が慰めだった。腰を振れば、強気な彼女の表情も、恍惚と悲壮に歪むのだ。 自身に内在する暴力性が、相手の完全な屈服を求めた。提督は腹黒い笑顔に、躊躇わずそれを口にする。 「でも、身体は悦んでる」 指が肉芽に伸びると、彼女の膣は咥え込んだ彼を扱く様にして蠢く。必死に首を振る彼女を見下ろし、尚追撃は緩めず、落涙を舐め て耳を食む。 反復され続けた悦楽の指教が、体躯を極限まで淫らにした。精神は未だ清く彼の恋情を欲したとしても、最早体の方は剥き出しの本 能に従う獣となった。下腹部を圧する彼の存在に、満足を覚えている自身。厭で厭で仕様が無いはずなのに、言葉で責められれば言い 返せないのだった。 それからどれだけ責め苦は続いたか。穢しぬかれ、淫らに湿潤蓄えたそこは、彼を咥え扱く女の肉壷となった。 動きの速まりを感じて、彼女は緩くかぶりをふった。 「中に出すぞ」 征服の証が刻まれる。その事への厭悪と被虐の悦が複雑に混ざり合い、慟哭とも嬌声とも取れない声となって溢れ出す。絶望的な心 境の中、腹内に広がった温かみが、彼女を否応無しに絶頂させた。 3 祥鳳は全てを聞いていた。 かつて提督と恋仲にあった時、褥を共にし迎えた朝。心地よいまどろみに、つい起床時刻の直前まで体を横たえらせていた事が幾度 もあった。 存外朝に弱い提督は、それに気付く事もなかったから、毎晩シーツに温もりの残滓を認めるだけだったのだろう。毎夜毎夜、その行 為が夢であったかのように、忽然と消えている彼女の姿。それは、彼にとって一種の耽美に思われたはずだ。 実際には、より泥臭い方法をもってして、この演出は行われていたのだった。早起きの艦娘に見つからないよう、宿舎棟、自身の部 屋まで移動する方法として、やはり理想は廊下を歩む事をせず、窓から進入することだった。問題は彼女の部屋は二階にあり、裏庭と も言うべき窓側の空き地からの帰還はとてもできそうにもなかったことである。 鎮守府本棟の提督の寝室は二階、つまりその建物においての最上階にあって、構造上屋根の端が窓視界の上端に掛かっていた。艦娘 としての非凡な能力を用いれば、そこに手を掛けよじ登る事など造作もなく、彼女は起床の時刻の遅かった時、何時も屋根伝いにて、 部屋へと帰還していたのだった。 途中渡り廊下の天井へ飛び降り、対岸の艦娘宿舎の壁を、小窓の突起を用いて登攀する。自身の部屋の直上まで辿り着けば、後は開け ておいた窓の位置を確認して、身を滑り込ませるだけであった。意外にも試みは容易く成功し、以来彼女は、就寝に不安も感じなくな ったのだった。 虚偽の恨み言をぶつけた事へ罪悪と悔悟の念に苛まれていた祥鳳は、その日、増幅するそれらの感情にとうとう耐えられなくなると、 謝罪と真意を告白する決心を固めた。ただ、夜の早いうちに執務室を訪ればあの装甲空母が邪魔であるし、かといってわざわざ二人で 話をしたいと面向かいに言うのもいらぬ誤解を与えかねなかった。悩む彼女の頭には、いつしか意識の敷居の下にその思い出が巡りだ し、それが突破口となって一つの策謀が胎を結んだ。 夜半、彼の就寝時刻直前。祥鳳は部屋の窓から身を乗り出し、屋根の路を進んだのだった。 幾ら大鳳と言えど、未だ同衾関係にまでなってはいまい。ならば、彼の寝室にて待っていれば二人っきりで話ができると、彼女はそ う思い至った。 個人の部屋に無断で忍び込む事について良心が痛まないわけでもないが、それ以上の罪を重ねた身上、致し方ないと結論付ける。自 責の痛みをこれ以上我慢することは、とてもできそうになかったのだ。月光の照らす中、足音を忍ばせ、本棟寝室の真上にまで到達す る。 窓から部屋への進入に成功した彼女は、まだベッドに彼のいないことを確認した後、隣の執務室へ聞き耳を立てていた。明瞭でない 彼と彼女との会話の声は、しばらくの時間の後、ぱったりとまったく聞こえなくなる。 廊下への扉の開く気配も無い。疑問に思っていると、今度はカーペットを踏みしめる音、それも四足二人分が徐々に大きく聞こえきて、 彼女はぎょっとして壁から離れた。部屋の中央に立ち尽くすし、焦りと混乱の中、とにかく隠れる事のできる場所を探した。まず真っ 先に視線の向かったのは洗面所であったが、両者の一方でもトイレに赴けばその時点でばれてしまう。ドアノブが回されたのを視界の 隅に捉え、半ば思考の外の反射に、彼女はよりにもよってベッドの下へと潜り込んだのだった。 木板とマットレス、合わせておよそ一尺の厚みを挟んで、情事の生々しい音を聞き続けるしかなかった。嬌声も水音も、スプリング の軋みにさえ吐き気が催され、思わず声を上げたくなるのを口を押さえて飲み込んだ。大鳳の濫りがましい嬌声に殺意を抱き、彼の荒 い口付けの吐息が、胸を辛く痛ませる。目尻から涙を流すまま、透視でもしているかの如く、ひたすらその底板を睨んでいた。 だが耳をそばだて続けていると、一つの救いが垣間見えた。大鳳のその懇願が無視をされたらしい事。提督から愛しているという言 の出なかった事に、至上の喜びを覚えた彼女でもある。別れを告げて半年が過ぎても、未だ心はすぐ側にあったと気付き、感動が胸を 馳騁する。 この行為にあてつけと慰め以上の意味は無い。寝具に阻まれていようとも、たとえ実際に抱かれているのは大鳳なんだとしても、精 神の交錯は今この場においても成っているのだ。 思わず彼女は 「私、浮気には寛容です」 極々小さく、一寸先の人にも聞こえないような声でそう呟いた。 寝具の上の遊戯は、もうすぐ終端を迎えるらしい。中に出すぞという彼の言葉が、甘く耳の側に響いた気がした。 彼女の心内は、甚だ複雑な様相を呈していた。胸をのたうつ嫉妬の情は、一向に烈しさを増すばかりだが、直上の彼の姿を想像すれ ば途端に甘い悦楽が湧き出してくる。 彼の思考にあるのは自身であるはずだった。ならばその吐き出される精も、向かう先は自身なのだ。ただ物理的に受け止める艦娘が違 うだけであって、故に彼はまだ私のものだ。 祥鳳は心の中に、そう独り言ちた。目の前の板に触れてみる。まるでそのまま貫通し、彼の体躯を抱きしめにいくかのように。 大きくなった吐息の音を聞き、祥鳳の女陰もまた独りでに蠢いた。今、空想と吐き捨てるには余りにリアルな触感がある。容赦なく 押し広げてくる堅い彼と、その先端から注がれる白濁の温かさ。出し終えた後も、彼は二、三回ほど奥を突くのだ。限界まで吐き出され た精が、更に深くへと押し込められる。その歓喜が完璧に再現された。 彼女もまた、彼らと同じく、絶頂を覚えていたのだった。肩が強張り足は伸びて、嬌声を我慢するのにはかなりの労をとっていた。 恍惚の表情は、しかしおぞましい凄みを発してもいる。涙は留らず口角は吊りあがり、瞳が異様なほど燦爛としていた。 提督を取り戻す、提督を取り戻す。口の動きだけで、彼女はその言葉を繰り返し続けた。 <続く> これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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前の話提督×あきつ丸7-83 166 :88:2014/01/29(水) 00 58 48.12 ID js7fuPj+ あきつ丸があまりにも出ないんで憂さ晴らしにさらに続編を書きました むしゃくしゃして書いた、反省も後悔も資源も開発資材もありません\(^o^)/ あきつ丸(目を覚ますと自分は提督執務室のベッドの上だったであります)チュンチュン あきつ丸「……」(提督は執務室を出た後のようでありますな)キョロキョロ あきつ丸「……自分も起きるでありますか……ッ!?」ムクリビクッ あきつ丸「お腹の奥が……この痛みは昨日の……?」ズキズキ あきつ丸「……」(思い出すのもおぞましい悪夢のような現実だったであります……) あきつ丸「……いや、これで救出作戦が行われるはずであります 同胞たちの命と比べれば自分の純潔など安いものであります……」グスン あきつ丸「あの外道が本当に約束を守っているか確かめなければ……」グシグシ あきつ丸(しかしこの痛みは……歩くことさえ辛いであります……)ヒョコヒョコ あきつ丸「あの外道はこの時間帯なら午前の演習の視察中のはず……演習場に向かうであります」ヒョコヒョコ 外道提督「今日からはキス島沖攻略のために、お前たち駆逐艦が中心となって演習を行ってもらう」 暁「れでぃーな暁は演習だってそつなくこなしてみせるわ!」ドヤァ 響「うらー!」 雷「ぜーんぶわたしにまかせなさい!」エッヘン 電「はわわわ!ひさしぶりの演習は緊張するのです……」 島風「おっそーい!」 雪風「何が来ようと雪風は絶対沈みません!」 あきつ丸「ふむ……、ちゃんと約束を守る気はあるみたいであります……」コソーリ あきつ丸(救助要請が届いたのが昨日、この調子でうまく行けば取り残された兵たちは 一人もかけることなく無事救出できそうであります……)ホッ 外道提督「では、私は別の仕事があるのでな、お前たちはしっかり演習頑張るんだぞ」 駆逐艦一同「「「はーい!」」」 外道提督「なんだあきつ丸、心配になって見に来ていたのか。心配されずとも約束は果たすさ」フッ あきつ丸「約束など守って当然であります」(やけに素直であります……少し嫌な予感がするであります) 外道提督「そうだあきつ丸、今から執務室に来てくれないか」 あきつ丸「ッ!」(この外道!もしやまた?)ビクッ 外道提督「ハハハ、ずいぶんと警戒されたものだな。いやなに、キス島沖攻略作戦―― つまり陸軍救出作戦の今後の予定を“綿密に”話し合おうというだけさ」ニヤニヤ あきつ丸「……了解したであります」(少し引っかかるが救出作戦のこととあっては無碍にはできないであります) 外道提督「ずいぶんと歩きにくそうだな、あきつ丸。なんなら執務室までおぶってやろうか?」ニヤニヤ あきつ丸「ッ!誰のせいだとっ!……いや、外道の手は借りないのであります」ヒョコヒョコ 外道提督「そうか?なら先に執務室で待っているぞ。せいぜいゆっくり歩いてくるんだな」ニヤニヤ あきつ丸「勝手に言ってればいいであります……!」プイッ あきつ丸「今後の予定……来週には出撃できていると良いでありますが……」ヒョコヒョコ あきつ丸「あきつ丸、入るであります」ガチャ 外道提督「やっと来たかあきつ丸。さっそくだが俺の立てた作戦予定を説明する――」 あきつ丸「――なっ!!??一ヶ月後でありますか!!??」ガタッ 外道提督「キス島沖周辺海域には深海棲艦のelite戦艦ル級やelite重巡洋艦などが確認された 私の大事な大事な駆逐艦娘たちをこのままの練度で出撃させるのは困難だと判断したのでな 十分な練度強化をした上で出撃させることにした」 あきつ丸「そんなに時間をかけていては、補給の絶たれた仲間たちは飢え死にしてしまうであります!!」 外道提督「たしかにその通りだ。だが一つ間違っている。君からすれば救出を待つ彼らは大事な仲間かもしれない だが私からすれば駆逐艦娘たちの命と釣り合うほどの彼らに対する義理を私は持ち合わせていないのだよ」 あきつ丸「くっ……貴様はそれでも誉れある日本国軍人なのか!!」 外道提督「むしろ私の方が軍人的な思考をしているとは思わないかね? 深海棲艦に対して特に有力な打撃力を有する艦娘たちと、通常兵器で武装した人間たち 戦略・戦術的に考えてどちらがより重要かは考えるまでもないだろう?」 あきつ丸「ぐぬぬ……」(い、言い返せないであります……) 外道提督「しかしだな、私も軍人である前に一人の人間であり男だ」 171 :88:2014/01/29(水) 01 03 52.69 ID js7fuPj+ 外道提督「憎からず思う女の旧友の命が危ないとなれば、私も助けたいと思わないこともないだろう」チラッチラッ あきつ丸「?言いたいことがあるならはっきり言うであります!」 外道提督「ふふふ、落ち着きたまえあきつ丸。話は変わるが私は 人質のせいで憎い相手に身体を売らなければならない悲哀の境遇に 抗おうとするが最後には堕ちてしまうような女性が好みなのだ」ニヤニヤ あきつ丸「……最低の趣味であります……!」ギリリッ 外道提督「そんなことを言っていては私の気持ちは揺るがないまま、陸軍は飢え死にしてしまうぞ」ニヤニヤ あきつ丸「くぅ……また昨日のようなことをするのでありますか……」ナミダメジトメ 外道提督「そんなに嫌だったのか?最初にも言ったが、私も無理強いはしない。残念だが彼らのことは――」 あきつ丸「わかった!わかったであります!だからもう少し予定を早めてほしいであります……」 外道提督「ふふふ、分かればよいのだよ。君が早く私を籠絡すればそれだけ彼らの命が救われるのだ さあ、お互い夜を楽しもうじゃないか」ゲス顔 あきつ丸「……今日も、……自分のバイタルエリアを……提督の主砲で……めちゃくちゃにしてほしいであります」ブワッ このあと滅茶苦茶セックスした 続き提督×あきつ丸7-243
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124 :名無しの紳士提督:2015/10/31(土) 19 18 10 ID .gndr5tw ちょっとお邪魔しますよ。投下。 露出自慰。一部♀×♀あり注意。 125 :名無しの紳士提督:2015/10/31(土) 19 18 53 ID .gndr5tw 失礼します、本艦は陽炎型駆逐艦浜風です。 只今の時刻は深夜。私は現在、帝国海軍鎮守府……その港湾区画の片隅にいます。 日中は作業する人員で騒がしいここも今は波涛と風が鳴るばかり、そこで私が独りで何をしているかといいますと…… 「お゛ッ♥オナニーッ、露出オナニーしちゃってます私ッ♥♥昼に一杯人が通る場所でッ♥裸で、変態行為してますぅっ♥♥」 建造物の合間の薄暗い路地……たまたま通りを通行する誰かがいて、ふと覗き込めば簡単に見つかってしまう場所。 そこで私、浜風は一糸まとわぬ全裸になって自慰をしています……自らの手で乳房を捏ね繰り秘所を弄り淫らな声を上げる、変態的な羞恥行為を。 「見つかったらっ、大変なことなるのにっ♥指ッ、止まらないぃ♥野外全裸オナッ♥気持ちよすぎてっ、やめられなひぃっ♥くひぃぃっ♥♥♥」 お漏らししたみたいにグチャグチャに湿ったアソコとガチガチのお豆を弄り回し、ビンビンの乳首を抓りあげながら屋外で快感に身悶える私。 なぜ私がこうなってしまったのかと言えば……切っ掛けは、大破して基地に帰還したその時のことでした。 「浜風!大丈夫だったか、大破により作戦を中断したと……うぉっ!?す、すまない……」 「提督、どうしたので……あっ!?」 私を心配げに出迎えた提督が帽子の鍔を下げて顔を背ける……理由を考えた私は、自分の衣服が激しく損傷していることに気づいて身を縮ませました。 体に合う下着が無く困るほど発育してしまっている……私の駆逐艦らしからぬと言われる乳房、その全体が露わになっていたのです。 顔を背けた提督が、しかし視線は執拗に私の体に向けられていることに気付いてしまった時。私は……嫌悪ではなく、興奮を抱いていたのです。 「あひっ♥誰かが、通るかもしれないのにぃっ♥くりとりすっ♥カッチカチに勃起してるっ♥見られたがってるぅぅッッ♥」 弄りすぎにより肥大して今では包皮に収まらなくなった陰核を捏ね繰り回し、内腿が痙攣するほどの快感を貪り続ける私。 自分の体が他者の……特に異性から性的な、劣情を催す外見をしていると意識して以来。私は、露出行為に手を染めるようになっていました。 最初は、着衣の露出を高めにして出歩く程度……しかしより激しい羞恥を求め、私の行為はどんどん過激化していったのです。 「見られたらっ、全部終わっちゃうのにっ♥変態扱いでっ、オナキチガイって言われてっ♥社会生命終わっちゃうのにっ、すごくイイよぉっ♥♥」 下着姿で夜中の宿舎を徘徊していたのも束の間、全裸になり、より広く徘徊するようになり……出先で自慰をするまで至るまで、すぐでした。 裸に外套1枚で宿舎を離れた後、道中で自らのいやらしい体を存分に晒しながらここに辿り着いた時……私のアソコはもう洪水のような有様。 人目があるかもと思いつつも、こうして変態的な露出自慰に陶酔しているのですから……救いようのない淫婦であると、我がことながら心底思います。 「真面目とかっ♥クールとか言われてるのにっ♥本当は変態なんれすっ♥公開オナ狂いの色情狂なのおぉぉッ♥ふぉぉぉぉンッッ♥♥」 痛いくらいに自分の乳房……手からこぼれるくらい無暗に脂肪の乗ったソレを強く握る。迸る痛苦、とその後にジワジワと拡がる甘い疼き。 見られる可能性も忘れ、快楽に乱れ狂いつつ秘所をグチュグチュと掻き回す私……お漏らししたようにいやらしい粘液が足元に飛び散らせています。 「ふぎぃっ♥いぐっ♥いぎますう゛っ♥♥外で勃起クリと乳首メチャメチャに捻り潰してッ……おまんこいぐぅぅぅっっ!!」 乳頭と股を弄る手指を極限まで速め荒々しく動かす私。露出自慰の興奮に白熱した脳が忽ち快楽に焼け焦げていきます。 そして力一杯性感突起を抓り上げたその瞬間、私は完全に理性を飛ばして絶頂したのでした。自我が吹き飛び、思考が法悦だけに染まる至上の時間。 「お゛ッ……♥ほお゛ぉっ……♥へお゛、ぉぅ……♥ッ……はぁぁっ♥はぁ、はぁぁっ……はへあぁぁ~~~~♥」 激しい絶頂を迎えた余韻でガクガクと痙攣する私の全身。背後の壁に身を預けて倒れないようにするのが精いっぱいです。 やがてオーガズムの余韻の喘ぎが収まると共に弛緩していく体……気づけば私はオシッコを漏らしていました。 「お゛~~~……♥ッ……はぁー……はぁ~♥外だと、やっぱり全然違う……脳の芯まで、焼け焦げそう……♥」 絶頂の大きな波が引き、放尿に伴った快感も収まった頃。ようやく正気に戻って身を起こす私。未だに内腿が昇天の余韻で小刻みに震えていた。 気だるさは若干あるものの、未だ私の体の芯に残っている熱く疼く衝動。私は更なる快楽を求めてよろよろと歩きだしました。 「はぁっ……♥はぁぁっ……♥こんなところ見つかったら、人生オワっちゃう……全部台無しになっちゃう……のにぃ♥んんッ♥♥」 自分の手で油性ペンにて体の随所に卑猥な落書きを施した私は今、鎮守府正門へ続く最も大きな通りに立っていました。 『淫乱』『露出狂』『マゾ』『犯して』思いつく限りの猥語を刻んだ卑猥極まる裸体を外気に晒している、その背徳感が私の理性を焼き焦がします。 首には持参した犬用首輪を装着した私……まるで誰かの飼い犬のように、正門の門柱の横で四つん這いになって片脚をおずおず上げました。 「お゛……んお゛ぉ~~♥出てる……ジョボジョボって、おしっこぉ♥ほぉぉ~~……一番目立つ場所に、マーキングしてるぅ~♥」 発情した犬の如くだらしなく蕩けた表情を浮かべながら私は門柱に小便を発します。周囲に拡がる下品な音と刺激臭。 たまたま誰かが通り、見つかるのではないかという恐怖に背筋をゾクゾクと震わせながらも私は絶え間なく漏れる小便を門にかけ続けます。 快感とスリルとマゾヒズムが一体になり、私の頭から瞬く間に正常の思考と呼べるものは駆逐されてしまいました。 「お゛ッ♥お゛ッ♥んお゛お゛ッ♥おまんこッ♥ぐっちゃぐちゃぁっ♥おしりもっ♥指ズボズボ、ほぐれてるう゛ッ♥」 正門に引っかけた小便を見ながら四つん這いのまま自慰を始めてしまう私。最早、誰かに見つけて欲しいとすら思ってしまいます。 淫水が飛沫くほど溢れる秘所と粘膜を淫らに充血させた肛門、そこに先を窄めた五指をそれぞれ捻じ込んで乱暴に掻き回す私。 石畳にだらしない乳房が擦れる痛みすら快楽に感じてしまいながら、私は露出自慰の悦楽に悶え狂います。 「お゛ッ♥これしゅごひっ♥♥おまんこにぃッ♥カドッ♥ぐりぐりってぇっ♥キくッ♥おまんこ汁マーキングッ♥イイよぉッ♥♥」 小便で汚してしまった門柱、その角に秘所の割れ目を押し付け腰を上下に振る私。粘膜が肌理の粗い石材で抉られ、強烈な刺激を生みます。 忽ちドロドロに潤う媚肉の雌臭い汁……それで門柱をコーティングするかのように浅ましく腰を振り立ててしまう私の、だらしなく蕩けた貌。 まるで交尾中の動物のような淫猥な表情をしているに違いない、と自認するその変態性の客観視により私は更に興奮を昂ぶらせました。 「んお゛ぉぉッ♥おしりっ♥おしりあなッ……ケツッ♥ケツあなズボズボぉッ♥しゅごいっ、これッ♥キッくぅぅぅッッ♥♥」 肉付きの過剰な私の尻たぶの合間、ヒクつく肛門に指をいきなり3本捻じ込んで穿り回す私。強烈な快感が迸り、淫らな声で喘ぎ狂います。 腸壁と膣の薄い肉越しに門柱の石材……硬質に尖った感触を指が探り、思わずそれを強く弄れば両者に挟まれ強烈に刺激される膣肉。 私は犬のように垂らした舌から涎を滴らす淫猥な表情を、変態的な嬌声を、隠しもせず夜闇に披露し続けました。 「ほお゛ぉぉぉッ♥♥いぐっ♥変態オナニーでっ♥♥マゾイキ姿丸出しのままっ……イッぢゃいましゅう゛ぅぅぅッッ♥♥」 乳房を石畳に荒く擦り付けながら腸壁ごと抓んだ門柱を激しく拭って膣肉を摩擦し陰核を千切れそうなほど捻った私。 同時に雷撃が脳内で炸裂したような強烈な快感が脳髄を隅々まで塗り潰して純白に染め上げ―― 私はあらんかぎりに身をのけ反らせ股から雌臭い汁を撒き散らして絶頂してしまったのです。 「お゛っ……♥♥へお゛ぉぉっ……♥♥しゅごっ……やみつき、なりましゅよ♥このっ、ヘンタイおなにぃ……♥♥♥」 オーガズムの緊張が解けた瞬間、糸が切れたように私は石畳へぐったりと倒れ伏し……失禁してしまいました。 頭から溢れだしそうなくらい脳髄が絶え間なく脳内麻薬を分泌しており、陶酔感を堪能する以外に思考が働きません。 それから暫し、絶頂の余韻が体の芯から抜けるまで私は浅ましい姿で地面に這い蹲り悶え続けてしまったのです。 「う……へっくしゅっ!風邪ひきそう……というか人が来なくてよかった、本当に。」 心身から熱の引いた私は現状を思い出し、近くの茂みに逃げ込んで赤面しました……我を忘れたで片づけていい所業ではありません。 もし私の声を聞きつけて誰かが様子を見に来ていたら大事になっていたでしょう。反省しながら少し自己嫌悪してしまいます。 今度からは変態行為は自制するよう心掛けることを決め、そそくさと物陰伝いに着衣の隠し場所へ向かい始めた――その時。 「――え?」 「――あ?」 がさり、目の前の茂みが葉鳴りと共に揺れそこに、人が――全裸の女の子が――一糸纏わぬ姿の浦風が立っていました。 え?何この変態……発育のいい胸元も薄い恥毛の生えた陰部も剥きだしで『え?なにこの変態?』みたいな表情をした浦風を見て思います。 しばし無言で見つめ合ったあと、お互い同時に停止していた思考が再開したらしく揃って口を開き―― 「きゃああああああああッ!なんでこんなところにっ……というかっ、なんて恰好してるんですかあぁぁぁ!?」 「なんじゃあぁぁぁぁぁぁッッ!?おまっ……なんでこなートコではだかんぼーなっとるんじゃぁぁぁッ!!」 深夜の鎮守府の敷地に2つの絶叫が響きまして、それから暫し―― 鎮守府内では幽霊、不審者、或いは迷い込んだ深海棲艦とも言われる謎の人影2つの噂が流行しました。 その話題が出るたびに私と浦風がぎこちなく話題を流すようになったのはほんの余談です。 それから余談がもう一つ―― その謎の人影2つは未だに深夜の鎮守府の敷地を彷徨っているそうです。 ええ、いつも2人揃って大変仲睦まじく――ふふっ。 「おへぇぇっ♥そんなに激しく腰振らないでぇっ♥ディルドの堅い所が奥♥抉ってぇ♥声出ちゃうからぁっ♥あはぁぁっ♥」 「おまーこそっ♥こっちん奥っ♥ゴリゴリ押し付けよってぇぇ♥いけんっ♥外でっ♥イくっ♥あっ♥無理じゃっ♥イッくぅぅぅっ♥♥」 +後書き 130 :名無しの紳士提督:2015/10/31(土) 19 22 50 ID .gndr5tw 以上になります。スレ汚し失礼。 先日投下したあと保管庫覗いたところ、わざわざ過去の拙作を読み返して下さった方がいたようでして 覚えていてくれた人がいるというのは思いのほか嬉しいものですね。 ではもしまた投下することがありましたらその際はまたどうぞよしなに。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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前回の話 E-1-1 「水道を…抜けましたよ、提督」 「うむ。どうやら無事に帰ってこれたな…」 長く美しい黒髪の艦娘にうなずいた艦隊司令-提督は沈痛な面持ちで南洋の島々を見つめた。 南洋の青い空を鎮守府のある主島の目印である1000m級の山がのんびりと佇んでいる。 泊地では鎮守府に所属する艨艟が憩っている。 遠征から帰ってきた神通を旗艦とした水雷戦隊が補給作業に勤しんでいる。 駆逐艦数隻を連れて艦載機の発着艦訓練を行っている精悍な空母蒼龍は比較的新顔だ。 先ごろ艦隊に配属された高速戦艦の比叡と霧島。 巨体ながらも引き締まったフォルムを水面に映している戦艦二隻の威容が彼方の水平線に睨みをきかせている。 その横に4隻の姉妹が仲良く並んでいる。 隙のない艦影はウォーシップの名に恥じない獰猛な印象を敵に与える。 同時に優美に伸びた艦首から流れるようなラインを持つ波形甲板と中央にバランスよく配置された兵装が一種の芸術品を思わせる美しさも持っている。 鎮守府で随一の武勲を誇る第5戦隊-妙高型重巡洋艦だ。 艦隊は今、敵の一大根拠地《沖ノ島海域》を完全攻略するべく準備を進めていた。 4隻の妙高型は戦隊を解き、経験不足の新鋭艦達の練度を上げるために常に1,2隻が艦隊に編成され出撃を繰り返していた。 護衛、雷撃戦の露払い、夜戦での大立ち回りと活躍した彼女達は順次ドッグでしばらく体を休めていた。 蓄積したダメージを回復すると同時に装備を一新、改装工事も終えていた。 高角砲、酸素魚雷、電探と最新式の装備を施された艦影は以前にも増して頼もしく見えた。 それ故、4隻が並んで泊地にその姿を見せているのは久しぶりの事だった。 「…第5戦隊は全艦出渠したようですね」 いつの間にか四姉妹を目で追っていた提督に今作戦の旗艦=秘書艦の扶桑が柔らかに一声をかけた。 「うん、良かった。綺麗になったね。休養も十分なようだ」 「妬けますね……」 「え?何か言ったかい?」 憂いのある笑いを浮かべて扶桑は、なんでもありません、と首を振った。 こころの底がチクリとするが彼女は従妹?の伊勢と違って感情をストレートに表現する事は無かった。 「…確かに良かったですね。第二戦隊と四航戦がこの有様では…」 後ろに続く出撃艦隊を振り返り、ひどく冷えた声で彼女は言った。 第二戦隊の航空戦艦4隻と第4航空戦隊の軽空母二隻で実施された第一次沖ノ島攻略戦は失敗に終わった。 最奥部で対峙した戦艦を中心とした敵艦隊に攻略艦隊はなすすべもなく文字通り叩き潰された。 伊勢、日向小破、隼鷹中破、山城、飛鷹大破。残る扶桑も無傷ではない。 対して、敵に与えた損害は駆逐艦撃沈1、中破1と僅少なものでしか無かった。 E-1-2 「轟沈が出なかったのは奇跡だったな……」 「いえ、提督があそこで引き返したからこそ、誰も沈まずに帰って来られたのです」 「いや、俺の編成ミスだ……もう少し攻撃用の艦載機を積んでいればっ!」 奥歯を噛みしめて提督は目深に軍帽をかぶリ直した。 扶桑の優しさはありがたかったが、悔恨の情が薄れる事はなかった。 第四航空戦隊の隼鷹と飛鷹には制空/直掩隊を担当する戦闘機隊に偏った編成を取っていた。 航空戦艦4隻に積まれている水上偵察機 瑞雲’の対艦攻撃力を期待してのことだった。 瑞雲は偵察機ながら急降下爆撃もこなせる画期的な水上機として期待されている新鋭機だ。 瑞雲が八個飛行隊揃うまで出撃を待ったほど、彼はこの新鋭機に期待を込めていた。 テストを兼ねた東部オリョール海の輸送船狩り、敵空母部隊との戦闘で勝利を収め、自信を持っての出撃だった。 だが、結果は惨敗だった。 敵の編成に空母は無かった。 直前の空母戦では活躍した零戦52型の制空隊だが、対艦攻撃力は無い。 空母には有効である瑞雲の25番爆弾による急降下爆撃も戦艦に致命傷を与える事は出来なかった。 本来なら航空雷撃で足を鈍らせた敵に叩き込むはずだった35.6サンチ砲は敵を捕らえるまで時間がかかってしまった。 その間に接近した敵ル級戦艦による近距離砲戦で元々装甲の薄い山城が大破し、二隻の空母も次々と被弾していった。 艦隊の撤退を支援するためその身を盾として損傷した日向と伊勢のおかげで艦隊は虎口を脱した。 『痛いっ……て、敵弾複数命中。三番砲塔旋回不能!……煙で見えない…姉さまは!無事?』 『飛行甲板に被弾……消火ポンプが故障?火災鎮火急いで!』 『隼鷹、これより飛鷹の消火作業に協力しまーす……駆逐艦接近?無視、無視!』 『敵に頭を取られちゃったか……日向、私たちで前に出よ!』 『航空先制が弾かれたか。砲戦力はこちらが不利だが、やるしかないな』 『痛っ、敵魚雷命中……でも、火は消したよ飛鷹、へへへ…』 「じゅ、隼鷹、大丈夫!私は大丈夫だから、早く、早く離脱して……』 『きゃぁー!!!ぜ、全主砲発砲不能……各艦は私を顧みず前進して!』 『や、山城!提督、私を前にっ!山城を、妹を助けなきゃ!』 敵の大口径弾が降り注ぐ風切り音、爆発で艦体引き裂かれる艦娘達の悲鳴。 陽炎のように揺らめき近づいてくる敵大戦艦の黄色く光る眼光。 仲間や姉妹艦を死にもの狂いで助けようとする艦娘達の鬼気迫った顔。 忘れように忘れられない。 恐怖。 それもある。 だがそれ以上に彼の心を苦しめるのは悔恨。 命を預かった艦娘達を一歩間違えれば殺してしまったかもしれない自分の迂闊さと軽率さ。 -俺の責任だ、 E-1-3 「俺のミスだ。敵にヲ級が多数含まれていると誤認した、俺が!」 提督が右拳を羅針艦橋の窓枠フレームに叩き付けた。 「提督!」 拳に血が滲む。 走り寄った扶桑が手布で提督の手を包む。 「……すまない、扶桑。でも!もし雷撃隊を中心に航空隊を編成していれば!君の妹を傷つけることも無かった!飛鷹だって!」 「提督っ!艦隊司令が海戦の損害で騒ぐなど言語道断です!」 普段大人しい扶桑が一括する。 「総司令たるもの、艦隊の半分沈められようが平然と構えなさい」 前世というべきか、かつて彼女が連合艦隊の一艦だったころに艦橋に座った数々の提督たちを思い返しながら彼女は厳しい口調で諭した。 しばしの沈黙の後、今度は優しい姉のような口調で提督の頬に片手を添える。 「……落ち着いて、ね」 -私も、甘い。提督以上に甘いわ。 内心苦笑しながら、扶桑は優しく提督を見つめた。 奥歯を噛みしめ、絞り出すように提督は頭を下げる。 「すまない、扶桑。興奮して悪かった」 眼下には戦場とはかけ離れた南洋の青い海が優しく広がる。 中途で仲間に加わった島風が、敗残の艦隊の周囲を心配そうに並走している。 皆、傷ついてはいるが連合艦隊の矜持を示すかのように胸を張って進んでいる。 艦隊司令が率先しないでどうする、そう思い直し、提督は軍帽を正して泊地を見つめる。 「いずれにしても、再攻勢に出るのは先の話だな」 気持ちを切り替えるように提督は呟いた。 知らず知らずのうちに視線は妙高型4姉妹を見ている。 「第5戦隊には頑張ってもらわなくてはなりませんね」 「ああ、そうだな……我々の仕事は戦う事だからな」 何か救いを求めるように五戦隊を見つめる提督の視線に気づいて扶桑が声をかけた。 この艦隊でまともに実戦経験がある戦艦は4隻の航空戦艦を除けば榛名だけだ。 姉妹の比叡も霧島もまだまだひよっこ、長女の金剛は未だ艦隊に参加していない。 航空戦力の要-一航戦は獅子奮迅の活躍をしているが、それ故ドックに入っている時間も長い。 蒼龍や軽空母達も頑張ってはいるが決め手となるほどの練度ではない。 艦隊自慢の水雷戦隊達は最近は苦しい資源事情を支えるため遠征に出ている事が多い。 失敗の許されない遠征任務故に練度の高い艦娘が中心になってしまうのが痛い。 必然的に戦力の中心は第5戦隊に任される事になる。 あの死地に愛しい娘達を送り込む。 果たして自分にできるのか。 「大丈夫です。あなたは自分が思うよりもずっと強い方です」 この鎮守府に一番最初に配属された戦艦だけあって扶桑は提督を良く知っていた。 「私たちはどこへでも行けます。戦えます」 -私は、決してあなたの一番にはなれないけれど、 「あなたと一緒なら」 内心の寂しさを隠して笑顔で扶桑は言った。 「さあ、浮標が近づいてきました。後は陸に上がってから考えましょう」 扶桑の優しさに感謝しながら提督は号令を発した。 「ありがとう……両舷全速後進、機関停止用意!」 E-2-1 「んんんっ、あ、はぁぅん…うふふ」 障子、畳、箪笥、掛け軸、布団。 南洋でありながらこの部屋は内地の香りで満たされている。 薄らと入るドッグの明かりが男を組み敷いた女を浮かび上がらせる。 汗が浮かんだ白い裸身が夜具の上でしなやかに踊る。 小柄で慎ましい美しさが布団という和の様相に映える。 だが、乳房や臀部はまろやかな曲線で構成され瑞々しさよりも艶ややかさを印象付けた。 「ふふ、もぅ、ぁんっ、限界?」 右手で顔にかかる前髪を払いのけて、女は組み敷いた男に優しく笑いかけた。 既に提督自身は鳳翔の秘肉に咥えこまれている。 成熟したローズピンクの媚孔は丸い輪のようにペニスを包みながら蜜を吐き出している。 くいくい、と軽く腰を前後に動して胎内にある男根へ柔らかな刺激を続ける。 「ああ、ぐっ……鳳翔、凄すぎ…うわっ」 切羽詰まったように提督が呻く。 体を前傾させた鳳翔は、苦痛に耐える様な男の顔を両手で優しく包む。 にゅちっ、という淫らな水音が二人の繋がっているところから聞こえる。 たぷんと肉付きの良い臀部が揺れ肉棒を食い締める陰唇が露わになる。 程よく熟した女肉がペニスを離さないように吸い付いている。 結合部は鳳翔の愛液と射精された提督の精液でぬらぬらと光っている。 鳳翔は提督に一つ口づけるとそのまま腰の動きを再開した。 「んんっ、あふぅん、折角の提督からのお誘い。もう一度くらい中に、ね」 そう言いながら、細い指を提督の体に這わせていく。 顎を撫で上げ、首筋を掠め、鎖骨をなぞる。 優しく労わるように指が潮風で鍛えられた体を滑っていく。 そして胸板の辺りでのの字を書くように指を遊ばせる。 「ふふふ、あら?ちょっと元気が無いみたいね」 「無理を言うな、うぐ、もう若者って、歳でもないんだ、ぐっ」 後背位で一回、正常位で一回、おまけに鳳翔の口の中で一回。 今夜は既に三度も射精している。 鎮守府の種馬 と口の悪い曙や五十鈴などが言うほど、結構な割合で艦娘達と床を共にする提督だが、流石に一晩に四度の射精というのは経験が無い。 「嘘おっしゃい。足柄さんや加賀さんを一晩中、啼かせているのは誰ですか?」 「あれは……それに、一晩にそう何度も出してるわけじゃないよ」 自分で言った通り、あまり若くないからか最近、若干遅漏気味な提督である。 射精感はこみあげては来るものの中々頂点には達しない。 だが鳳翔の熟練の床技は、 鎮守府の種馬 を初めて女を知った新米中尉のように瞬く間に射精に追いやられてしまった。 故に最初は握っていた主導権をいつの間にか鳳翔に取られてしまった。 「じゃあ、ここを弄って、あげますね」 優しい笑顔で彼女は提督の乳首をペロリと舐めた。 E-2-2 「うわっ、それはっ、待った、ダメだっ、んっぐっ」 そのままチロチロと右の乳首を舐めあげる。 ぞくぞくした感覚が提督の背筋を伝う。 「ちゅる、ちゅぱっ…ほぉら、うぅん、おちんちんが硬く、なったぁ」 自らを貫く男根が甘美な刺激に反応して膣内で硬くなるのが解る。 妖艶というよりも柔和な笑顔でウフフと鳳翔は笑った。 我が仔を愛する母犬のようにチロリチロリと提督の乳首を舐める。 左の乳首も難を逃れられず細指につかまってコリコリといたぶられる。 男の弱点を的確に攻めながら腰は緩やかに円を描く。 硬度を回復した男性自身が熱い滑りの中をぐり、ぐり、と動く。 「ちゅちゅ、んちゅっ、んんんんんっ、はぁぁん」 硬い肉棒が粘膜を擦ると自然に甘い声が出てしまう。 「ふぅぅん、おちんちんが膣で擦れてぇ、あぁん、いいっ」 腰の動きが加速し提督の目の前で熟れた双乳が揺れる。 色づいた頂が淫靡にしこり立っている。 上半身を起こして思わず敏感な尖りに吸い付いてしまう。 「ふ、ぅぁんっ、あぁん、もう、いきなりぃ、くぅぅぅん」 赤子に乳をあげるように鳳翔は提督の頭を優しく抱く。 柔らかな乳肉に口元が覆われ、鼻孔を鳳翔の匂いが満たす。 口中でコリコリとしこり立った乳首を舌で転がす。 「あはぁぁ、んんぅ、提督はおっぱいが好きなんだからぁぁん」 ちゅうちゅうと乳首を吸われながらも鳳翔は柔和な笑みを崩さない。 だが、色白のうなじは朱に染まり、瞳は色欲に染まっている。 汗で張り付いた額の黒髪が奥ゆかしさと艶やかさを彩る。 艦隊の母と言われる彼女が、今は一人のオンナになっている証左だった。 乳首を吸いながら提督が抽送を再開する。 「んあう、あ、あ、あ、あはぁぅんっ、そこぉ」 完全に力を取り戻した提督のペニスに膣内を抉られ鳳翔はあえぐ。 媚肉は蕩けたように熱を持ち剛直に絡みつく。 ぞりぞりと膣壁のスポットをカリに擦られ鳳翔は頂点に昇っていく。 「あはぁぁぁ、んんんん、ね、提督、私、イキそう」 「んっ、俺も、もう、出る」 乳房から顔を離し鳳翔の熟れた腰を掴みながら提督も限界を告げる。 突くと、亀頭先が熱いぬかるみを押し分ける快感が、引けばカリが襞をかき分ける快感が肉棒から脊髄に駆け上がる。 更にペニス全体が暖かな柔肉に包まれる快感で頭の中は鳳翔の膣を突く事のみに支配される。 「んっんっんっんっ、イぃっ、そのまま、きて、出して」 ひときわ強く腰を突き上げられる。 肉棒に絡みついた粘膜がぐゅりと押し上げられる。 亀頭の先端がトロトロの子宮口にぶつかった瞬間、提督の背筋を快感が走る。 「ぐ、出るよっ」 膨れ上がった亀頭が爆発したかのように熱い迸りが飛び出す。 子宮口に叩き付けられる衝撃と熱さが鳳翔を急速に絶頂へと押し上げる。 「んっん~、キます……イきます、くっんんんんんんんんんっ」 背筋を弓なりにして鳳翔が絶頂する。 断続的に震える肉棒が鳳翔の中をかき回す。 暴れる肉棒を収縮した肉壁が食い締める。 陰茎と膣が溶け合うような快楽が二人を包む。 全身の筋肉が緊張から弛緩へと移り、鳳翔はとさりと提督の胸に落ちる。 鳳翔の股間からぬるりと力を失った男根が吐き出され、後を追うようにドロリと白濁が漏れる。 お互いに荒い息をしながら二人はそっと抱き合った。 E-2-3 お互いの体温と少しずつゆっくりになっていく鼓動が心地よい。 幾許かして、おもむろに提督は鳳翔の頭をかき抱いた。 鳳翔はそのまま男の胸に顔を埋め、残り香を楽しんでいたがそっと顔を上げた。 「……何かあったのですか?」 先程の淫らな女の影は潜み、艦隊の母に相応しい柔和な視線が提督を見つめる。 目の前の男は視線を天井に向けたままポツリと話し始めた。 「今日の海戦、惨敗した」 一点を見つめたまま、提督の顔が悔恨に歪む。 「気付いてしまった。戦で負けるということは君たちを傷つけるのだということを」 知らず知らずに提督は鳳翔の体を抱きしめる。 柔らかな小柄な体が暖かい。 心の壁が溶かされて提督の心が無垢の子供のように解放される。 「今更、怖くなった……戦場が、君たちを傷つけるのが」 提督の口から本音が漏れる。 ゆっくりと提督の右頬を鳳翔の手が優しく包む。 「……どうしますか?…もう戦うのをやめますか」 咎めるでもなく、憐憫でもなく、いつもと変わらぬ柔和さな顔で鳳翔は尋ねた。 そんな鳳翔の顔を暫く見つめていた提督が口を開いた。 「……いや、止められないな」 「どうしてですか?」 「私は海軍軍人だ。海から迫る脅威を排除するのは私の仕事だ」 「お仕事だから戦うのですか」 自らの頬に当てられた鳳翔の手をそっと握り返した。 柔らかで暖かだが芯に強さを感じる。働き者の手だ。 「……子供のころから憧れていた。大艦隊を率いて運命の敵前回頭を命じるような提督に」 提督の顔からいつの間にか悔恨は消え、柔和な表情が浮かんでいる。 「海軍士官になれて嬉しかった。命をかけてみんなを守るって使命を負えた事に」 「使命…ですか」 鳳翔は提督の頬から手を外し体を起こした。サラリと解いた黒髪が肩に落ちる。 「鳳翔?」 止める間もなく、提督の横に正座をした鳳翔は目を閉じながら、歌い始めた。 「守も攻めるも黒鉄の浮かべる黒城ぞ頼みなる♪」 静かな歌声が寝室に響く。 行進曲「軍艦」。 本来なら力強い歌であるはずだが、今は子守唄のように聞こえた。 「~皇國の光輝かせ…」 歌い終わった鳳翔は目を開けた。 いつの間にか体を起こした提督が目の前で静かに歌を聴いていた。 「私の使命は大八州を侵す夷敵があればこれを退けることです」 提督の目を真っ直ぐ見つめて鳳翔は続ける。 「そのために私は、私たちは生まれてきました。昔も、多分今も」 かつての戦いの記憶を彼女は、艦娘達は持っている。 鳳翔の記憶には華々しい戦いの記憶はほとんどない。 でも、彼女は覚えている。 史上初の正規空母として誕生し、全速力で駆けた海原の潮風を。 太平洋を圧して進軍する大艦隊の一員として巨大戦艦の傍らにあったことを。 飛行甲板を蹴って飛んでいく艦上機達が奏でる高らかな爆音を。 初々しい少年飛行兵が初めて彼女に着艦し、誇らしげに見せた笑顔を。 幾人もの搭乗員が艦長が彼女の元で育ち巣立って行った。 幾隻もの艦達が”皇國の四方を守る”為に港から出航していった。 そして、そのほとんどに、人も艦も、もう二度と会うことは叶わなかった。 E-2-4 「あなたの使命を助けるのが、私たちの使命です」 優しく静かに鳳翔は言葉を続ける。 そっと提督の膝に手を取り両手で包む。 「私たちはいつも一緒です。あなたとならばどこまでも征けます」 まじまじと鳳翔を見やった提督は、やがて降参したように苦笑しつつ首を振った。 「……俺は提督、君たちは艨艟。征くなら共に、か」 「はい、提督」 「吹っ切れた。ありがとう、鳳翔」 彼女の手を握り返して提督はいつもの表情に戻った。 潮風に鍛えられた海の厳しさと優しさを合わせたような男の顔に。 ドキリと鳳翔の胸が高鳴る。 ―ああ、提督。私の司令長官…。今度こそ、最後までお傍に。 自身の深い悔恨を晴らしてくれるであろう男の胸に鳳翔は体を預け、口づけをする。 提督は彼女を優しく抱き止めそれに答える。 「すまないな。弱った時にばかり君に甘えて」 唇を離して提督は頭を掻いた。 目を伏せた鳳翔は頭を振った。 「……いいえ、弱ったあなたも私は好きですから」 顔を上げた鳳翔の目には再びオンナが燃え上がっていた。 「えっ?ほ、鳳翔さん?」 若干、顔をひきつらせた提督が体を離そうとするが流石に腰が立たない。 そのまま押し倒されるように鳳翔の下に組み敷かれる。 「ね、提督、私も弱ってるからあなたに甘えたいの」 ぺろっと舌を出しておどけて見せる鳳翔だが、提督には舌なめずりをするネコ科の猛獣に見えた。そのまま人差し指をチロチロと舐めながら荒い息で提督を見下ろす。 「それに、イくなら一緒に、でしょ?」 「いや、それ違うし、さすがに、もう無理だって!」 撥ね返そうとするが、帝国海軍初のジャイロスタビライザーを装備した抜群の安定性はそうそう撥ね返せるものではない。 「うふふ、私知ってましてよ。殿方のカタパルトの位置」 完全にマウントポジションを取った鳳翔の細指が提督の菊のご紋に伸びる。 「なっ、ちょっ、それは、ダメだ!」 ずぶりと提督のバイタルパートがやすやすと鳳翔の指に貫通される。 「うふふ、ここね…それぇっ」 「アッー」 「ほーら、硬くなった。うふふ、やる時は…やるのです」 … …… ……… ………… 翌朝、妙につやつやとした鳳翔の作る朝ごはんはいつになく美味しかった。 が、提督が朝食の席に姿を見せることは無かった。 昨晩、鳳翔が提督の部屋にいた事を知っていた艦娘の何人かは提督にそっと手を合わせた。 当の鳳翔はいつもの柔和な笑顔で味噌を鍋の出汁に溶いている。 「私が無茶させてはダメですね」 新妻のようにお茶目に舌を出して鳳翔は呟いた。 ―でも、提督。半分は、私を心配させた罰ですよ…。
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『クズ提督の矜持 前編』 1 肌を刺す冷たい風がスカートを揺らし、手に持つ金属の錨が皮膚にくっ付くようだった。 プリーツがパタパタと、まるで旗がなびくかのような音を発して、武装の隙間を通り抜けた空気は不気味な唸りを上げていた。 黒く静寂な海の中、それら以外に物音はまったく感じられず、それでも耳を澄まし目を凝らしてどこかに隠れているはずの敵を探す。 骨まで染み入る寒さにしかし、雷は動じず海面に立っていた。 これまでの敵の圧倒的攻勢により、既に艦隊の半分は何らかの損害を被っていた。 後方、特に手ひどくやられていた響と電は遠くに退避し、中破した暁も最前線には立たせられない。実質的に雪風島風以外、 第六駆逐隊のメンバーの中で夜戦を敢行できるのは雷のみとなっていた。 耐えに耐え、そしてようやく訪れた日没は逆転の勝機足りえるものだ。今はただ、確実なチャンスをひたすらに待つ。 ようやくたどり着けたキス島の最果て、貧弱な包囲艦隊を取り逃がすことなど絶対にあってはならなかったのだ。 「二時の方向! 探照灯!」 島風の声が闇に響く。痺れを切らした敵艦は、遂にその姿をさらけ出した。 光の筒が右往左往し、雷達を照らそうとその光線を輝かせる。光の根元に向かって、三人の艦娘は一斉に動き出した。 動いた影に感づいたか、敵も何やら散開しだしたようだった。だがまだ完全に姿を捉えたわけではなく、 こちらは隠密行動を維持したまま接敵していく。足の速い島風は敵艦隊の裏側に回りこむように大きく迂回し、 残った二隻は正面をジグザグに進んでいった。 やがて敵ヘ級軽巡は、ようやくライトの円の中に正面二隻を入れる事ができた。向けられた砲身、そしてマスクに隠れた眼光。 だが後方に突如発生した水柱が、その注意を逸らしたのだった。 島風から発射された魚雷は、すぐ近くを航行していたト級軽巡へ着弾した。火炎の中悲鳴がこだまし、水面が真っ赤に光り輝く。 致命的な隙を逃すほど、雪風も雷も柔ではない。雪風による、息もつかせぬ四連装魚雷の一斉発射。 その爆風に身を炙られているへ級へ、雷はすぐさま接近、組み付いた。 爆ぜる火炎と轟音。赤と白のフラッシュが、闇夜を切り裂くような残光を刻む。 ゼロ距離からの十二・七糎連装砲による砲撃は、防御のために伸ばされたヘ級の右腕をいとも容易く吹き飛ばし、 血と油と破片とを盛大に撒き散らした。 猛烈な痛みにのた打ち回り、水面の波紋を広げていくヘ級。それを意にも介さず、雷は追撃の手を緩めない。 彼女は錨を握りなおすと、まるで野球のバッターのようにそれを後方へと振り被った。風きり音と同時、 振り抜かれた錨はマスクに覆われたへ級の顔面へ見事に命中。バキリという嫌な音の後、 弛緩した体はゆっくりと海中へ引きずり込まれていった。 「あぁ! フラグシップが! 待ちなさいよ!」 後方、瀕死のト級に引導を渡し終えた島風は、しかし全速力で後退しているもう一隻のへ級を見た。 持ち前の足で追いかけようとする彼女を、しかし雷は引きとめる。 「こっちも三隻やられてる。もう追いかけるのは無理だわ!」 見ると、たしかに残してきた三隻とは大分離れたところにいた。これ以上の追跡は、完全にはぐれてしまう可能性を発現させる。 島風は舌打ちをして、どんどんと小さくなる敵艦の背を睨みつけていた。 ・ ・ 報告書を読み終わって、提督は何とか落胆の気持ちを覆い隠した。何よりも全員帰還できたことが喜ばしいのだから、 結果などどうでもいいはずなのだ。自分は椅子に座ったままの癖にそのような気持ちを抱くのはとても不謹慎で失礼なことだと、 彼はそう思ったのだった。 席を立って、ぼろぼろの艦娘たちに近づく。表情から容易に読み取れる悔しさを何とか解きほぐしてやりたくて、 一人ひとりの頭を優しく撫でていった。 「よく頑張ったよ。全員帰って来れたんだから充分だ」 次は負けないんだからとか、少し運がなかったのですだとか。提督の掌を受け入れながら、それぞれが思い思いに口を開く。 六人全員を撫で終わると提督は解散を命じて、補給と修復をするよう促した。 皆が続々と背を向けていく中、司令室に最後まで残ったのは雷だった。彼女は提督の机に積まれた書類、 その半分ほどを手に持つと寝具の上に腰掛けた。 「雷、そんなのは後でいい。というより、それは私が全てやっておくから君はさっさと補給しにいきたまえ」 提督は雷の近くによって、そう声をかける。損傷は無くても、出撃の後に書類仕事をさせるほど彼は人でなしではなかった。 だが雷はかぶりを振って、ぽつり言葉を吐く。 「ねぇ司令官。私達って多分もうすぐキス島を攻略できるわよね」 「……まぁ、そうだろうな。今日の報告を聞くかぎり立ちはだかる高い壁の、 そのてっぺんにようやく手を掛けることができたって感じだ」 「……駆逐艦の練度向上計画が始まって、私久しぶりに秘書艦になれて、本当にすっごく嬉しかったの。 それがもうすぐ終わっちゃうんだから、補給なんか時間がもったいなくてしてられないわ」 ずっと下げていた視線を提督に向け、更に続ける。 「今は、司令官と一緒にいたいの」 真摯な瞳が、ほんの僅か潤んでいるように見えてしまった。 どうするべきなのか、提督は考えを廻らした。何も浮かばないでも、とりあえずは微笑んでやって頭を撫でる。 少しでも彼女を満足させてやりたいと、そう思う気持ちは間違いなく本心からのものであった。 雷は目を伏せ、気持ち良さそうに息を吐いた。それからしばらくすると、提督の上着を引っ張って腰に腕をまわしていく。 密着する体の体温と匂いを感じながら、彼女はより深く抱きついていった。 「いつもと立場が逆だな」 苦笑しながらの言葉を聞いて、雷の頬は赤く染まった。 上目遣いに提督を睨む、その可愛らしい仕草に応えるように彼も背中に手を回す。沈黙の司令室には、 しかし暖かい空気が流れだしていた。 「そうだ!」 突如、提督が声を上げた。少し間を離してあげて、雷は続きを促した。 「明日、第一艦隊は臨時で休暇にしようか。少なからず負けたショックもあるだろうし、俺は一日中ここに篭る予定だったからさ。 一緒にいたいなら、応えてあげられる」 それを聞き、雷の顔は途端キラキラと輝く。さっきまでとは違う、明るい声音で彼女ははつらつと口を開いた。 「なら仕事は午前中に終わらせて、午後は一緒にお出かけしない?」 「お出かけ?」 「欲しいものがあるのよ。買い物に付き合って」 「ああ。別にかまわない」 「やったぁ!」 提督を突き飛ばしそうなほどの勢いで立ち上がり、彼女は扉めがけて走っていった。 補給してきまぁすという元気な声は幾分か心に安寧をもたらし、自分までをも愉快な気持ちにさせてくれる。 雷のために。提督は書類仕事に立ち向かう決意をしたのだった。 2 夜、執務室の扉がノックされた。音はやたらに大きく響き、攻撃性さえ感じられる。 少なくとも訪問者の機嫌が良いものでないであろうことは、想像に難くなかった。 入れという言葉の後、扉を開けたのは不知火だった。 それは習慣によるものであったから、提督はさして彼女がここに来たこと自体には驚きもしない。 しかし瞳に映る激情の原因には、皆目検討もつかなかった。 キス島の攻略作戦が始動した際、新たに編成された駆逐艦隊に不知火は選定されなかった。 第六駆逐隊の連携と、あとは単艦の能力の高い雪風、島風の二隻。それはただただ能率を求めた結果の決断であったのだが、 当然面白く思わない艦娘もいるのであった。酷く落ち込み沈鬱した不知火を文字通り慰めるために、 提督はその夜久しぶりに彼女を抱いた。以来、出撃のあった日の夜は必ず閨に訪れるのが、最早新習慣になったのである。 最近は不知火も、この逢瀬を楽しみにしているようだった。だから何か怒らせてしまったのだとしても、 それはキス島攻略関連ではないはずだ。一日を振り返り、海馬を絞ってみてもまったく何も思い当たらない。 「すまない」 とりあえずは謝る。それは提督の得意技なのだが、不知火はますます不機嫌顔になった。 「何がですか」 「怒っているようだったから。俺が何かしていたなら、謝りたい」 「不知火は、別に怒ってなどいませんが」 彼女は提督の机、山と詰まれた書類を一瞥するとくるり背を向けた。慌てて提督は立ち上がり、早足で彼女に近づく。 「お忙しいようなので、失礼します」 「待て」 言うや、一歩前に踏み出した彼女を提督は後ろから抱きしめた。離してください嫌だと言う応酬はしばらく止まず、 しかし目立った抵抗はなかったことから、その言葉が本心でないことは分かっていた。 「なぁ、何に怒ってるんだ。教えてくれ」 頭を撫で諭すように言っても、不知火は首を横に振るだけだった。髪を梳くように指を動かし、頬や顎に手を這わす。 彼女は心地良さそうに目を細め、それでも口だけはひたすら拒絶の言葉を吐いていた。彼女の匂いを嗅ぎながら、 首筋に、或いは髪の中に顔をうずめ、やたらに冷えた体温を感じる。 首を振ったり肩を動かしたり、そういったゆるい抵抗がむしろ興奮を高めるのであった。 しばらくの間そうした後、提督は彼女のわき腹を人差し指でなぞりあげた。 油断しきっていた不知火は突然の刺激に素っ頓狂な悲鳴をあげ、耳元では教えてくれと吐息交じりの言葉が囁かれる。 提督の意図を察したか、不知火の頬には赤みが差してしかしあくまで抵抗はない。 提督は彼女を反転させ、正面を向かせた上で壁に押し付けた。握った手首を持ち上げていって丁度頭上で交差させる。 片手はそれをしっかり固定し、開いたほうの手は首筋を優しく撫で降ろした。 不知火の口から息が漏れた。指が首を降りきると今度は鎖骨が、その窪みや骨の出っ張りが丁寧になぞられていく。 一方耳には口付けがされて、更に可愛らしい輪郭が舐められていったのだった。 喉が震えてしまうのかくぐもった小さな嬌声が、しかし確かに口から漏れ出していた。 「性感帯増えていってるね」 提督の屈辱の言葉に、彼女は睨むことで応じた。その視線、憤怒に隠れた期待の視線を受けて彼は、彼女の服に手をかける。 リボンが解かれ、ブレザーのボタンが外される。 あえて完全には脱がさず、肩に掛かったままにしているのはより辱めるためであった。 不知火の情欲は常にマゾヒスティックな刺激を求めているということに気が付いたのは、実は最近のことである。 ブラウスのボタンを上から外していく。面積を大きくしていく滑らかな白い肌。下着が付けられていないのも提督の命によるもので、 何か怒っていても約束は最低限守るというのは何とも彼女らしい所だった。 胸のふくらみ、谷間、へそ。ボタンを外し終わっても服を開くことはせずに、しばらくそのまま置いてやった。 スカートはホックを外し、容赦なく脱がした。スパッツの下に恐らくもう布はないのであろう、 不知火は膝を交錯させるような体勢でなんとか秘部を隠そうとする。彼女の目には涙が溜まり、 しかしそれはお互いにとって淫欲を高めるだけのツールになっていた。 「怒ってた理由、教えて」 頬を撫で、やんわりと顔を上に向けさせてから提督は再度言った。プライドは既に今までの辱めにより崩されていはしたが、 それでも不知火は頑なに首を横に振る。それは何も、彼女にまだ抵抗しうるだけの気力が残っているからではなく、 むしろこの陵辱されるような興奮をより深く味わいたいためであった。 提督はブラウスの胸元に人差し指を置いた。ふくらみを押したり撫でたりしながら、ゆっくりと指を横へと滑らせる。 あわや桜色の蕾が露出しかけて、しかしすんでの所でぴたりと止める。屈辱に下唇を噛んだ不知火は、しかしそれが悦なのであった。 高ぶりに息が荒くなり、それに羞恥を感じてしまう。 一旦指が離されて、肌の大部分は再び隠される。提督は先ほどまでブラウスに掛かっていた指を、今度は彼女の口へと突っ込んだ。 開かれた口の隙間からは悲鳴があがり、その喉の震えが感じられるようだった。 「どうすればいいか、分かるな?」 目を白黒とさせていた不知火は、この言葉を聞くとおもむろに舌を動かし始めた。 進入してきた指を舐めまわし猥りがわしい音を立てながら、ゆっくりとしゃぶり、吸っていく。 提督も時折指を動かしていって、口腔内を愛撫した。顎や頬が内側から撫でられる度、 彼女の開いた口の隙間からは小さな喘ぎ声が漏れ出す。 唾液が多分に纏わりつくと、それをなるべく零さないように指を口から引き抜いていく。指先から口元にかけて透明な橋が架かり、 しばらくの後、自重でそれは崩れてしまった。 滴り落ちるほどの粘液にまみれた人差し指を、提督は不知火の胸元まで持っていった。怪訝そうな彼女の視線を他所に、 彼はブラウスに包まれた婀娜やかな胸をゆっくりと揉んでいく。指の通った跡は肌色が透けて見えるようになり、 それを見て不知火はようやく、彼のしようとしていることに気が付いたのだった。 「やっ……いやぁ」 普段の姿からは想像もできない声音を聞いて、ますます提督は調子付く。再び口に入れられた指は、 さっきとは比べ物にならないほど無遠慮に口内をかき回した。戸惑う舌の動きなど微塵も気に掛けずに、好き勝手動かし唾液を掬う。 そしてそれが充分に纏わりついたら引き抜いて、まるで絵の具を塗りたくるかのように胸元を汚していった。 何回も繰り返されるとブラウスは粘液でぬるぬると滑りだし、次第に膨らみもその先端も、透けて完全に見えるようになってしまった。 「いい格好だ、不知火。先が尖っているのもよく見える」 あくまで布越しに乳首を撫でながら、提督はそう言ってやった。喘ぎ声混じりに否定の言葉が吐かれるが、 事実がどちらかなのかは明白である。摘んだり押し返したり好き勝手に弄び、否応無しに勃ったそれを知覚させると、 不知火は恥辱に涙を零した。 提督の指が胸から腹へ、そしてスパッツ越しの秘所まで順々に降ろされていった。 厚い布地越しにもそこが蒸れ、盛大に濡れていることは充分察する事ができる。軽くとんとんと陰唇を指の腹が叩いただけで、 彼女は体全体をがくがくと震わせた。 望みどおりに刺激は与えず、あくまで優しく秘部を撫でる。切ないのか、しきりに足を交差させ物欲しげな瞳を提督に向ける。 そんな不知火に彼は再再度、同じ言葉を投げかけた。 「怒っていた理由、教えて」 攪拌された思考では、一体何故意固地になっていたのかさえ、最早思い出せないのであった。 彼女はおずおずと口を開いて小声で語り始めた。 「し、不知火は昼に……第一艦隊が帰還した時、この部屋の扉の前にいました」 「うん。それで?」 「……報告が終わったらしく皆が外に出てきたのですが、雷だけがいつまで経っても出てこなくて、 不知火は、それで……それはきっと、中で司令と雷が何かしているのだと……」 「別に秘書艦と少し書類仕事の話をしていただけだ。彼女もすぐに出て行ったと思うが」 事実ではあるが全容の隠されたその言葉を、しかし彼女は信じたようだった。申し訳ありませんと蚊の鳴くような声があって、 提督はそんな彼女に優しくキスをした。お互いが目を閉じて、相手の唇を味わう。いつしか舌が口を割り唾液が交換されていって、 その甘美な味を堪能していった。 拘束していた腕を解くと同時、提督は不知火のスパッツを強引に脱がした。 全体が粘液で湿りぬめっているようで、露になった太ももの根元辺りは、蛍光灯の光をてらてらと反射していた。 自由になった彼女の手は、提督の股間に張ったテントを撫でていた。潤んだ瞳が、蕩けきった顔が提督に向けられる。 「もう我慢できません。ください。私の中に、入れて……」 甘えた声が耳に入ると、理性はかなぐり捨てられた。 提督は不知火を床へと押し倒した。寝具まで行く僅かな時間さえ、今の彼には惜しく感じられたのだ。 そしてその乱暴さに不知火も興奮を高めていって、抵抗せずにむしろ自分から足を開きさえする。 猛った肉棒が容赦なく挿入されると、彼女はそれだけで絶頂に達してしまう。ほぐれきった肉壷はひたすらに熱く、 腰を打ち付けるたびに、淫らな水音と淫靡な喘ぎ声が部屋に大きく響いていた。焦点の合わない瞳が天井を見つめ、 透けたブラウスに被さった胸が柔らかく上下に震えている。 その淫らな姿が劣情をひたすら駆り立てて、周りがまったく視界に入らなくなった。 相手のことなど気に掛けず、ただひたすら犯していく。細い体躯を強く抱きしめて、遮二無二腰を振っていくと限界はすぐ訪れた。 何も断りも入れてやらず、自身の欲望を中にぶちまけていく。好き勝手に汚されて、しかしそこに幸福を感じながら、 不知火は大きな嬌声をあげていた。 3 鎮守府は今日も晴天であった。 秋の風は海辺だとやはりかなり冷たくて、提督は押入れから引っ張り出したグレイの外套を着込んでいた。 日に当たれば寒さも和らぐが、鎮守府の正門前には残念ながら日なたは無い。目の前に一本だけ生えた松の木を、 彼は恨めしそうに睨んでいる。 集合場所を中ではなく外にしたのは、ひとえに不知火の事を気に掛けたためであった。 まさか昨日あんなことをした後で、雷と二人仲良く外出する様など見せられるわけが無かったのだ。 広い鎮守府内、ばったり偶然遭遇する可能性は低かったが、念には念を入れたのである。 待ち始めて五分も経たないうちに雷はやって来た。普段の戦闘用セーラー服を着ているだろうと予想していた提督には、 走ってくるその姿は意外に映る。 雷は可愛らしい黒のスカートにショートブーツを履いていて、上半身には凝った飾りのあるポンチョが纏われていた。 いい所のお嬢様だと誰が見ても思うであろうその身なりは、そういう方向に疎い提督でさえその気合の入れようを察するほどであった。 「随分可愛い格好だな」 開口一番にそう褒める。少なくともそれは礼儀で義務であろうと彼は思ったし、またその言葉自体も本心のものであった。 「私だって女の子なんだから! おしゃれ位するわよ」 雷は満更でもなさそうに笑顔で答えその場で一回転をした。 その彼女の姿を見ると、普段海で戦っている姿など一切想像できなくなってしまう。 いや彼女が普段戦いに赴く時に違和感がなかったのは、そもそも背中に大仰な武装がなされているからなのであって、 それが外されるだけでもただの女の子となってしまうのだ。 頭を軽く撫でた後、提督は行くかと声をかけた。雷は提督の手を取って、彼のすぐ横を足取り軽く歩き始めた。 雷の言っていた買いたい物というのは殴打用の錨であった。 先の戦闘でかなり損傷したらしく、もう古くなっていたこともあって新調することにしたらしいのだ。 鎮守府近くの大型ショッピングモール。そこの戦闘備品コーナーで可憐な女の子が品定めをする情景というのは、 何ともアンバランスで不似合いなものであった。 「私これにするわ!」 そのフロアにたどり着いておよそ三十分ほどの後、雷は棚に並ぶ錨の内の一つを手に取った。 提督には値札に書かれた値段以外どれも同じに見えるのだが、しかし細かい所で合う合わないがあるのだろう。 彼女はしきりに色々な錨を手に持っては棚に戻すのを繰り返し、その度に唸っていた。何かしらの決着が得られたらしく、 雷の顔から不満や妥協の表情は読み取れない。満足のいく一品であったらしかった。 「俺が買うよ」 雷の手から錨を取る。鈍く光る鋼鉄の塊は想像以上の重量があり、思わず取りこぼしそうになったのをなんとか堪えた。 雷はあわてて提督の手からそれを取り返そうと背伸びした。 「いいわよ! 私のなんだから私が買うわ」 「いつも何もしてあげられてないんだ。たまには俺も役に立ちたいのさ」 言い争いはその後もしばらく続いたが、手に物を持っている方が優勢なのは言うまでも無く、結局折れたのは雷の方であった。 彼女は提督に口惜しそうな視線を寄越し、それでも口元には笑みがあった。 その表情が見れただけで、払った金の分は充分に回収できたのだ。 「私だけだとなんか皆に悪いわよ」 「ここだけの内緒だな。これは」 梱包された錨を手渡し頭を撫で、彼女の言葉に答える。雷は頬を赤くして、ガラス細工を持つように錨を手にした。 にやけるのを我慢できないらしく、彼女の口の端はひくひく可愛らしく動いている。それを見て、提督も思わず笑顔になってしまう。 そのまま帰るのも惜しかったので、二人はしばらくモールの中を遊びまわった。間宮製のアイスを食べながら店を物色して回り、 必要なものがあったらその都度購入した。提督は兼ねてから欲しかった万年筆を安く入手する事ができ、 そのはしゃぎ様に雷は呆れながらも慈母のような目を向けていた。 あるいは趣味じゃない帽子を被ってみてその似合わなさにお互い噴出したり、眼鏡屋のサングラス一つで異様に盛り上がったり。 端から見れば仲のいい兄妹と思われるような様子で過ごしていったのだ。 二人が帰宅の途についたのは夕方、あと一時間もすれば日の沈む時分になってからだった。 海風が心地よく吹いていて、あの独特の潮の匂いをあたりに運んでいる。 アスファルトの道をゆっくり進みながら、言葉少なく二人は歩いた。 提督の右手、握った掌の温かさ。それを感じながら雷は、しかし思い出したくもない忌々しい記憶をリフレインさせていた。 今日のことは本当に楽しく、心から充足と幸福を感じていたのだが、いやだからこそそれは否応無しに脳内で再生されてしまう。 海風は不安感さえ運んだか、彼女は言い知れぬ憂鬱を胸に抱き始めてしまっていた。 「どうかしたのか?」 決して朴念仁ではない提督は、例によって目ざとくそれを感じたらしかった。一旦歩を止め、雷を見る。 彼女はしかし、それに答える訳にはいかなかった。 まさか情事に耽るならもっと声を抑えろなどと言う訳にもいかないのだ。昨日気を利かせたつもりでお茶を手に訪れた司令室。 その扉の前で彼女はその物音を聞いていた。 かねてからこの提督には、誰かしらそういうことをする相手がいるという噂は流れていた。 それを知らない駆逐艦など一人もいなかったし、雷も例外ではない。ただそれが一体誰なのかまでは判明しておらず、 様々な憶測が艦隊には飛び交っていた。秘書の正規空母が怪しいだとか、遠征の引率軽巡が怪しいだとか。 そんな中には確かに彼女の、不知火の名前もありはした。 第一艦隊に選ばれなかったことを慰めるために体を重ねているのだという根も葉もない噂を、雷も食堂で聞いた事がある。 司令室前での物音とそして聞こえた嬌声を、当時彼女は意外なほど冷静に受け止められていた。 やっぱりそうだったのかと言う納得感は、嫉妬やショックよりも先に沸いてきた感情だ。 物事がただ事実として受け入れられたからこそ、今自分の感情をどう処理すべきなのか雷には分からなかった。 雷は提督に顔を向けた。 「ねぇ司令官」 「うん?」 「私、司令官のこと好き」 その言葉は自然に口を割った。恥じらいも何もなく、呼吸と同じように漏れ出した。 一体それを言ってどうしたいとか、そういう打算はまったく無く、ただ発露させたかったのだ。 沈黙。さざ波の音がかすかに聞こえ、場は固まった。かなりの時間が過ぎ、ずっと二人立ち尽くした。 雷には彼が悩むということが理解できなかった。この告白の行き着く先はただ一つなわけで、 それをさっさと言おうとしない提督には怒りさえ沸いてくる。中途半端な優しさというのは、彼の魅力でもあり、 そして酷く残酷な所でもあった。 風の冷たさに意識が向くようになって、ようやく提督は口を開いた。 「もしそれが、俺もお前を愛するようになってほしいという要望だったなら、俺はそれに応えられない」 「不知火さんがいるから?」 その言葉に、驚きに目を見開く。そんな彼の様子を見ると、ますます腹が立つのであった。 誰にも知られていないと思っていたと言うことに、その自分勝手さに冷静な思考が失われていく。 「違う」 彼は言う。それを聞き、雷は握っていた手を離した。 「私、先に帰るから……お願い、ずっと後から来て」 涙は出ず、硬く握った拳の痛みだけが現実的な感覚だった。 4 鎮守府に戻り足の向かった先は、何故か自室ではなく司令室だった。 思考の方はさっきまでの提督の言葉に対するもので一杯一杯だったから、ここにはほとんど無意識的に訪れたということになる。 慌てて方向転換しようとして、しかし一抹の考えが頭をよぎり踏みとどまった。 今、司令室には誰もいないわけで、それは雷の好奇心をくすぐるには充分すぎる状況であったのだ。 罪悪感はあった。だが先ほどの提督からの仕打ちを思い起こすと、ある程度報復したいという気持ちも沸いてくる。 彼のプライベートを覗き込み、その後どうしたいのかまでは考えず、意を決して扉に手をかけた。 戸が開けられると、途端ガタッと何かぶつかったような音がした。その音に雷は吃驚してしまい、思わず体を震わせてしまう。 見ると、提督の机のすぐ脇には一人長身の女が立っていた。その女、不知火はスカートをパタパタとはたいて、 大分焦っているのか視線を猛烈に左右に振っている。 「えっと、何で不知火さんがいるの?」 至極まっとうな疑問に、しかし彼女は普段ではありえない狼狽様で言葉を探しているようだった。 「不知火はっ……その! えぇと……し、司令に用があってそれでし、不知火の、は……」 スカートの裾を気にしながら、ずっと同じことを繰り返し言う。よく観察してみると提督の机の角は少し光を反射していて、 どうやら粘液でぬめっている様だった。それが分かると、かすかに部屋に性臭が漂っている気もしてくる。 雷が悟ったらしいことを敏感に察知した不知火は、顔を青くしながら叫ぶように弁解し始めた。 「違うわ! 不知火は、その別に何もしていない! 本当に、何も……」 「見てない。大丈夫何も見なかったから私。本当に」 沈黙し意気消沈し、不知火は一言小声で謝ったあと近くのティッシュで机を拭いた。 羞恥と後悔によって彼女は窓から飛び降りたい衝動に駆られていて、油断をしたならすぐにでも慟哭、号泣してしまうのだ。 伏せた顔の頬辺りに感じる雷の視線を忍び耐え、最早頭は何も考えないようになっていった。 雷はというと最初、それをある種微笑ましく見ていたのだが、 少し考えてがまわってくると途端に複雑な感情に苛まれ始めたのであった。 不知火が提督の机で自慰をしたという事実ひとつが、色んな解釈で読み取れてしまうのだ。 勝手な想像に勝手に嫉妬したり怒ったりして、そういった連鎖は中々止まないようだった。 処理を終えたらしい不知火がそそくさと退散しようとするのを見て、雷は自身の感情に決着をつけることにした。 恐らくあの提督ではすっぱりと切り捨てる事ができないだろうと、彼女はそう思っていたのだ。 だからこの恋の終焉を告げることができるのは、もう彼女しか残されていないわけで、 そして機会としては周りに誰もいない今が絶好であった。 「ひとつ聞きたい事があるんだけど、いいかしら?」 努めて明るく彼女は言う。 「……何?」 「司令官と付き合ってるの?」 晒してしまった痴態への羞恥心から彼女を見れていなかった不知火は、 その言葉を聞くと目を見開きようやく初めて雷の方へ視線を寄こした。 しばらく彼女は顔を見つめて、果たしてその心の奥の真意を見抜いたか考え込むように目を伏せた。 「そういう関係じゃないわね」 まるで改めて自分で確認したかのように、ぽつり彼女はそう言った。 「え? どういうこと?」 疑問には答えず、いやその言葉自体耳に届いていなかったか、考え込むように下を向いて彼女は部屋を出て行った。 その背中を見送り、やがて思い起こされる事がある。 提督がやってくる前に、雷もそそくさと執務室をあとにしたのだった。 ・ ・ 夕飯が終わり雷は執務室の奥、物置に隠れ潜んでいた。意味深な不知火の発言と提督の真意を見極めるには、 この方法が一番だと思われた。それは明確な背信行為であったわけだが今日諸々の感情、怒りか嫉妬か。 そういった負の方向のものがミキサーにかけられたかのような強い感情の元では、罪悪感など薄れてしまうのだ。 事実を明かしたい一心で、彼女はこの悪事に手を染める。細められた目はひたすらに、机に座って仕事を進める提督を見つめていた。 提督が机についてから二十分は経った頃、執務室の扉をノックする者があった。書類に目を通しながら、提督は入れと言う。 出入り口の方まで視界が無いため雷は最初、訪れた人物が誰なのかまったく分からなかった。 しかし声と、その特徴的な話し方が聞こえるとすぐに特定する事ができた。 「お疲れ。雷に用があるんだけどいるか?」 馴れ馴れしくまるで自室にいるかのように、天龍は提督の側までよって机の隅に腰掛けた。 部屋をぐるり見渡しながら、目的の人物を探し始める。まさか彼女も、雷が物置で提督をこっそり覗き見ているとは予想だにしていないのであろう。 ひとしきり部屋を見渡して彼女の不在を知るや、不思議そうに首をかしげた。 「あれ? いないのか」 「ああ。いない」 「あいつ今秘書艦なんだろ? 仕事ほっぽり出してなにやってんだ」 「今日は彼女、非番だよ。用があったなら後で会ったら伝えるけど」 「いや、別にいいや。てか、たとえ非番でもあいつならお前のとこに引っ付いてると思ってたんだが」 「……少し、色々あったんだ」 「……またそういう類のやつか」 本人を前には言えないような会話を盗み聞く。その行為に、雷は言いようも無い高揚を感じていた。 言葉の一つ一つをしっかし噛み砕きながら、何も聞き逃さないように耳を立てる。高鳴る心臓を抱えて、彼女は目を細めた。 天龍が机を降り、提督のすぐ横に移動する。そのために彼女の姿ははっきりと見えるようになった。 一体何をするのかと期待に胸を膨らました雷には、しかしその後の光景はかなりショッキングに映ったのであった。 天龍はすっと身を屈ませたと思うと、提督の膝の上に馬乗りになった。 それを見、思わず悲鳴が上がりそうになったのを、雷は口を手で塞いでなんとか耐える。 天龍はそのまましな垂れかかり、提督の後頭部に手を持っていく。やんわりと上を向けさせると、躊躇も無く唇が重ねられた。 普段一度も見たことのない表情。どちらかといえばがさつなイメージを抱いていたために、その姿には驚愕であった。 啄ばむようなキスは段々と深いものになっていき、彼女の表情は口元が濡れていくのと比例してどんどんと蕩けていく。 目じりが垂れ、あの鋭い目つきもなりを潜め、甘い吐息の音が離れた雷の耳にまで届く。 提督が天龍の肩を押し、一回それは中断された。 「まだ仕事中だぞ。俺は」 「堅い事言うなよ。オレとはご無沙汰だろう? なぁ、お願いだからぁ」 「駄目だ。頼むからどいてくれないか?」 「フフフ……嫌だ」 まるで恋人同士がするような、そんな睦みあいだった。 現在の状況にも随分驚かされている雷ではあったが、『オレとは』という言葉が何よりも衝撃的であった。 察しのいい彼女はそれだけで大体の状況が飲み込めて、提督の言葉、不知火の言動全てに合点がいったのだ。 「最近は不知火ばっかりかまいやがって」 「すまん」 「反省してるなら行動で示して欲しいんだがなぁ」 天龍の手は提督のシャツにかかり、その細い指が隙間から中に入り込もうとする。しかしそれは彼の手によって阻止された。 「我慢してくれよ。頼む。もうすぐかまってやれるようになるからさ」 「どうせ雷も抱くんだろ? 色情魔が」 「それはないよ。本当に」 あくまで天龍に向かった台詞は、しかし雷を打ち貫く。夕方、気持ちに応えられないと言われたことが思い出され、 それが急に今更になって涙をせりあがらせた。何故という疑問はかなりの痛みを伴って、雷の胸中を浸食し始める。 「オレ知っているんだぜ。普段、あいつとこうやっているだろ」 天龍は意図せずに、彼女を更に追い詰めた。提督の頭が豊かな胸に導かれ、そしてゆったりと埋められる。 右手は頭を優しく撫で、左手は背中に回される。 偶然の挑発的行動は、たしかに雷を怒りで震え上がらせた。役割を奪われたかのような光景に、 彼女は奥歯を噛み締めて拳を強く握りこむ。早く離れろと念じながら、見たくも無いものをしかし見続ける。 自分の居場所の無さに、鬱屈した思いは溜め込まれていったのだった。 ・ ・ どれほど時間が経ったか、ようやく天龍が司令室を去ると雷の感情は爆発した。 我慢や理性といったものは消失し、もはやその波を留めるものはなにもない。 勢いよく扉を開け放ち、ずかずかと机の前に躍り出る。吃驚したまま固まっている提督を他所に、雷は感情のままに言い放った。 「どういうこと!? 説明して!」 「雷? いつから、そこに?」 「ずっとよ! ずっと見ていたんだから。ねぇ説明して」 彼女の剣幕に押されながら、しかし提督は表情を変えなかった。 状況が後から飲み込めると、いつも通りまったく普通の様子で口を開く。そしてその態度は、彼女の怒りをより燃え上がらせた。 「見ていたのなら、まったくその通りだよ。俺は複数の艦娘と関係を持っている」 「そっちじゃないわよ! なんで、私だけ除け者にしているのかって聞いてるの!」 一瞬だけ空いた間の後、提督は首を傾けた。 「除け者になんかした覚えないが」 「したじゃない! 私にだけ……私の気持ちには応えないって」 「君を愛せないと言っただけだ」 「同じじゃないのよ!」 頭を振るたびに涙は飛び散り、足元に見えない跡を残した。悔しさと惨めさの発露であるそれは、留まることなく溢れ出す。 提督は立ち上がり彼女に近づいたが、当然突き飛ばされ距離を置かれる。 しばらくの間雷は泣きじゃくり、そしてそれを提督は眺める事しかできなかった。 泣き声が収まり始め、それでも目元にやった手を除けない彼女に提督はぽつり言葉を吐き始めた。 「お前だけを愛せないわけじゃない。俺は別に不知火も天龍も愛してはいない」 「じゃあ何で抱いてるのよ。私聞いていたから。私のことは絶対に抱かないって聞いてたわ。どうして私だけ……」 再びの沈黙。思考の部分で冷静さを取り戻した雷ではあったが、だからこそ怒りの感情はやまなかった。 理不尽な仕打ちに情けなさを覚え、そしてそのような気分にさせるこのどうしようもない男にあわや殺意さえ抱きそうなのである。 そんな彼女の様子を見て、提督は自身の説明義務を誠実に果たす決意をした。一度息をゆっくり吐き出した後、口を開く。 「昔、加賀が轟沈しかけたことがあった」 語りだした彼の真剣な表情を、雷は見た。視線で続きを促して、落ちる涙を手で拭う。鼻をすすり、黙って彼の言葉に耳を傾けた。 「秘書だったお前の後任に加賀を任命したのは、当時最も不足していた装備が航空機だったからだ。 思い入れとかそういうのはまったく無かったんだが、まぁ相性が良かったんだろうな。接する時間が増えると俺らは随分仲良くなった。 彼女と一緒にいる間は凄く楽しく思えていたんだ。 その気持ちというのが段々恋慕の情に移り変わっていったのを俺は感じていたし、多分向こうも、 俺を慕ってくれた感情に名前をつけたなら、そういったものだったんだろう。お互いにそれを感じていた。 きっとそのまま、下手すれば恋人になってたのかもしれない。 そんな折、彼女が轟沈しかかった。提督という職についたなら、艦娘が沈みかけるなんて何度も経験することだ。 向かっている先は戦地であって、いつも命がけで戦ってもらうわけだからな。ただ当時の俺には初めての経験だったんだ。 身にしみて理解したよ。俺には艦娘を愛する事ができない。明日海の藻屑となって消え去るかもも知れない子に、 いちいち情を感じてなんかいられない。送り出したその姿が最後目にする姿なのかもしれない。 華々しい最期どころか遺体も見ることはできない。恋愛感情なんか抱いたら、もう辛くてこんな職業勤まらないんだよ。 だから、俺はお前の気持ちには応えられない」 「じゃあ、なんで抱いているの。加賀さんも、抱いているんでしょう」 「入渠の終わった後、それでも彼女は俺を求めた。提督の職というのは艦娘に奉仕することだ。 環境だけじゃなくてメンタルも整える必要がある。 もしそれで、明日死にに行くのに少しでも後悔が薄まるなら俺は抱くよ。愛するということ以外なら、俺は何でも彼女達に尽くす。 そういう着地点を俺は見つけたんだ」 間。提督は視線を背けると付け足して言った。 「見損なったろ。お前はもっと見極める目を鍛えるべきだ。俺みたいなダメ男に純情を捧げるもんじゃない」 雷の荒立っていた感情の波は、恐ろしく静かになっていた。後から抱いた気持ちは何なのか。 見損なったかと聞かれると、答えに窮してしまうのだ。 見る目は変わったのだろう。彼の本質、その一部がようやく分かったのだった。清濁含めたそれを見て、抱く気持ちは形容できない。 しかし恋が終端に向かったとは、どうやら言えないようだった。 雷は提督の両肩に手を置くと、思いっきり体重をかけた。突然増大した重力に、堪らず提督は膝をつく。 低くなった頭を彼女は、包み込むように抱きしめた。 「これは、私の役目だから。これだけは他の人にやらせないで」 提督の頭が縦に振れるのを腹に感じ、すると充足感が溢れてくる。たかだかこの程度のことでと随分軽い自分に嫌気もさすが、 しかしそれが恋という物のどうしようもない所であった。いかに相手がダメであっても、いやむしろだから許してしまうという事が、 満足に繋がってしまう。 「どうせこの後天龍お姉さんのとこ行くでしょ」 雷の言葉に提督はまったく無反応だった。それでもいいと彼女は思い、そして更に続けた。 「私はここで待ってるから」 いつか愛しているという言葉を引きずり出す。そういった決意のもとに、彼女は恋慕を再認識したのであった。 後編はこちら